必要な工事を、最適なタイミングで
マンション管理組合に多角的サポート
株式会社エスアンドエーリニューアル設計さいたま代表取締役 竹石吉孝 一級建築士事務所
(マンション大規模修繕工事・給排水設備工事等)
マンションに住むと、ほとんどの場合にかかる修繕積立金。これは共用部分のメンテナンスや、10数年周期で行われる大規模修繕工事などに充てられ、住民で構成される管理組合が徴収・管理するものです。築年数30年超のマンションに住む我が家も、数年前に大規模修繕工事を経験しましたが、住民たちの大事なお金で積み立てられた資金を、どこにどう使うのか…。建物のことをほとんど知らない理事メンバーがかなり苦労し、マンション住民間にも緊張が漂っていました。こんなとき、先頭に立ってくれる専門家がいたら心強いのに、と思ったものです。竹石社長は、マンション修繕設計・工事監理のプロでありながら、業界では珍しい建築アトリエ事務所出身の一級建築士。建物をゼロから作る過程をしっているからこそ、修繕にも並々ならぬこだわりがあります。…ああ、本当に、あの時こんなプロがいれば、住民間で揉めることもなかったのに…と、お話を聞きながらつくづく思ってしまいました。(インタビュアー 山根聖美)
「設計監理方式」で見積もりと工事を厳しくチェック
事業内容を教えてください
多種多様なマンションの改修に特化したコンサルタントとして①大規模修繕工事②給排水設備工事③長期修繕計画の見直し④顧問契約―など、建物ごとに必要な工事をマンションの管理組合様に向けて提案し、アフターメンテナンスまで関わる一級建築士事務所です。マンションの改修工事の発注方法には、一般的にコンサルタントを介さない「責任施工方式」と、コンサルタントが入る「設計監理方式」の2つがあります。「責任施工方式」は、工事を行う施工会社と管理組合が直接契約を行うため、ローコストで済む反面、施工会社によっては第三者が入らないため、品質の確保に問題が生じたり、最悪の場合は手抜き工事のリスクが高まる可能性があります。一方、「設計監理方式」は、実際に工事を行う施工会社と管理組合の間にコンサルタントとなる設計事務所が入り、同じ条件で見積もりを取り、中立な立場で比較し、工事着工後も厳しくチェックを行うなど、建築知識の少ない管理組合で改修工事を行う場合には大きなメリットがあります。当社はこの「設計監理方式」を選ぶマンション管理組合様に向け、まずは無料相談を実施したあと、調査・診断・設計から施工会社の選定、工事監理などを行っています。
いま必要な工事だけを。管理組合ファーストを徹底
業界の現状と、それに対する御社の取り組みを教えてください
コンクリート構造でできているマンションは、適切なメンテナンスを行えば、50年、100年と住み続けることができますが、その際に問題になるのが、修繕積立金の問題です。国土交通省が令和6年6月に発表したデータによると、約36.6%のマンション管理組合で「現在の修繕積立金の残高が計画に対して不足している」と答えており、この割合は5年前の調査に比べ1.8%増加しています。計画通りに積み立てられている場合でも、近年における材料費や人件費の高騰などで、十分な工事が行えなかったり、資金不足に陥るケースも増えています。当社では、マンション管理組合様のサポートのプロとして長年培った経験から、適切な時期に適切な工事を行うことで、費用の最小限化と、最良の改修工事を実現し、先々に渡って修繕積立金不足を起こさない修繕計画をたてることをモットーとしています。ですから、自分たちの得意なやり方や利益を優先したり、工事実施ありきのコンサルはしません。当社の専門家チームが調査・診断を行った結果、今必要がないと判断すれば工事延期をご提案することもあります。
新築の経験活かし、劣化の根本修繕
御社の強みはなんでしょうか
私自身、大学の建築学科卒業後は、建築アトリエ事務所(隈研吾建築都市設計事務所、ウシダ・フィンドレイ・パートナーシップ一級建築士事務所等)で経験を積み、分譲マンションの新築設計にも携わってきました。そのため、壊れたところだけを直す改修工事ではなく、マンションの組成(駆体、仕上材、給排水設備)を把握した改修設計が可能です。たとえば、壁にヒビが入っていた場合、どのように割れているのか、どのくらいの幅なのか、このような劣化の仕方をするのはなぜなのか、とその原因まで追求し、再び同じヒビ割れが起きないための改修設計を行います。また、一級建築士のほか、構造設計一級建築士、一級建築施工管理技士、一級管工事施工管理技士、マンション管理士など、改修に特化した専門家のみでチームを組んで業務にあたります。コンサルタントの選定時に、資本金や従業員数などの大手が有利な条件をよくみかけますが、大手は間接コストが高かったり、担当者が途中で変わるといったことも起こり得ます。当社のような少数精鋭だからこそ実現する柔軟性や、最後まで私が総括責任者として寄り添える良さがあると思っています。
「こうなったら良い」イメージを予算内で具現化
仕事をするうえで、社長が大切にしていることはなんでしょうか
一番大切にしていることは、丁寧なヒアリングです。新築物件に携わっていたときは、施主様が持つイメージを、ぼんやりとしたところから徐々に膨らませ、具体化させる仕事をしていました。今はすでに20年、30年と時間が経過しているマンションを扱っていますが、ただ直すだけでなく、管理組合様の「こうしたい」という要望を汲み取り、限られた予算のなかでいかに近づけるかという挑戦は、新築の場合と変わりません。たとえば、エントランス部分にスロープを設置したいという要望はよくあるものですが、そこにLED照明を組み込んだ手すりを計画したところ、足元を中心に明るく、眩しさが抑えられ、なおかつスロープ全体に明るさが行き渡る相乗効果が生まれ、改良以前よりも格段に良くなったという評価をいただきました(=写真)。また、大規模改修工事で足場を設置した場合は、足場でできる修繕内容はなるべく同時に行い、安全面を考慮し至急でないと判断した工事は延期するなど、コスト面も考慮します。「木を見て森を見ず」という慣用句がありますが、私の場合は徹底して「木を見て、森も見る」。建築デザインに携わっていた経験もあるので、足場を外した後に、街の中でこのマンションはどう見えるのか…というところまでチェックします。外観も中身も良くなったマンションは、住み心地も資産価値もアップします。
打ち合わせ第一主義で、心の通った信頼関係を
今後のビジョン、目指す姿について教えてください
少数精鋭のスペシャリストで構成し、必要以上に社員を増やさないことで仕事の精度とローコストを両立させていると自負していますが、今後、デザインや構造設計など多方面でブレーンとなる専門家を増やしていきながら、当社の理念を理解した人材を育て、会社としての基盤をより固めていきたいと思っています。また、人工知能の発達などで社会環境が変わっても、要望をお聞きする絶好の機会となる管理組合様との綿密な打ち合わせは、これまで同様続けていきたいと思っています。どんな時代になっても、顔と顔を突き合わせたコミュニケーションは信頼関係を構築する上で絶対に必要です。管理組合のメンバーになったばかりの方のために、「責任施工方式」「設計監理方式」の違いについてのセミナーを開催する準備も進めており、今後もより一層、マンション管理組合様のお役に立てる立場でいたいと思っています。
PROFILE
株式会社エスアンドエーリニューアル設計さいたま代表取締役 竹石吉孝
一級建築士
【略歴】
1969年
東京都生まれ
1994年~
近畿大学工学部建築学科卒業後、隈研吾建築都市設計事務所、ウシダ・フィンドレイ・パートナーシップ一級建築士事務所、建築設計事務所において新築および改修の設計・工事監理に従事。
【保有資格等】
● 一級建築士 建設大臣登録 第276458号
● 福祉住環境コーディネーター 21-2-03490
● 鉄骨鉄筋コンクリート造耐震診断資格者
● 鉄筋コンクリート造耐震診断資格者
● 住宅の品質の確保の促進に関する法律第13条の講習 修了
会社概要
会社名 | 株式会社 S&Aリニューアル設計さいたま |
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所在地 | 【本社】 【統括総務事務室】 【東京事務所】(竹石一級建築士設計事務所) 【四国事務所】 【業務委託会社】 |
代表取締役 | 竹石 吉孝 |
資本金 | 2,000万円 |
事業登録 | 一級建築士事務所登録 埼玉県知事登録(1)第11723号 |
有資格者数 | 一級建築士:5名 ※2023年12月1日現在 |
加盟団体 | 一般社団法人 埼玉県建築士事務所協会 1-160 |
加入保険 | 日事連・建築士事務所賠償責任保険 |
主要取引銀行 | 武蔵野銀行 南浦和支店 |
HP |
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