新宿yonyon株式会社
- ライブハウス
- 不動産投資
ビルを持つことは夢を叶えること
ここが四谷のランドマーク
新宿yonyon株式会社44 支配人
「え?50歳!?」我が目を疑いました。見た目はちょっと(いやかなり)イカついけど、話してみたらノリの良い優しいあんちゃん。好きなことを突き詰めていると、こんなに若々しくいられるんですね。鮮やかなイエローのビルの中には、エンタメ要素の詰まった施設がいっぱい。子供向けのハロウィンや母の日イベントも行うなど、地域活動にも積極的です。「素顔と本名は明かさない主義」の新宿44ステーション支配人、まだまだ様々な仕掛けが飛び出してきそうです。(インタビュアー 山根 聖美)
テナント収入を得ながら劇場支配人として奔走
事業内容を教えてください
ビルの運営をしながら、直営の店舗の支配人として経営しています。ビル内の飲食店や芸能プロダクションなどはテナントとして入っていただいています。そのほか、ライブスタジオ、多目的ホール、シアターホール、サロンフロアなどは直営店ですので、僕自身が経営しています。アイドルやバンドのライブ、演劇公演、稽古やワークショップなど、芸能の道を志す人たちがたくさん訪れ、定期的に多ジャンルのパフォーマーたちを集めた44ステーション主催のライブも開催しています。サロンフロアでは、フリーのネイリストやエステティシャンの方々にスペースを活用してもらい、大変好評なんです。
好きな世界だから強くいられる
人の笑顔が自分のパワーに
御社の強みはなんでしょうか
なんといっても僕自身が「好きでやってる」ということでしょうか。大型のライブハウスやシアターではないですし、コロナ禍もあって、直営事業の収益がいつも良いというわけではないです。でも、ビルオーナーとして収益を得ながら、自分がやりたいからやっているので、苦しさはまったくなく、ずっと楽しいですね。今は無名でも、未来に向けて頑張る若いアーティストや芸人を支えたいという思いもあります。また、地域の子供たちを喜ばせたいという思いも年々募ってきて、ここ数年は子供向けのハロウィンイベントを行ったり、母の日に合わせて似顔絵コンテストを開催し、先着44人に地域商店街の商品券を配るといったイベントをほとんど持ち出しで企画してきました。これまでの成功・失敗体験や学んできたことを人に伝えたいと、不動産投資セミナーも定期的に開催しています。人が喜んでくれたら、自分も嬉しい…まさにそんな思いでやっています。
挫折も夢も全部が詰まった新宿は、故郷も同然
新宿御苑付近に起業してみて、どうでしたか?
新宿は僕が上京してからもうすぐ30年、これからもずっといる場所。すでに地元大阪よりも在住期間も長く、故郷同然です。芸人を目指していた頃は、新宿中央公園でいつも稽古をしていました。この先もこのエリアを拠点に骨を埋める思いですし、四谷4丁目を愛している気持ちは誰にも負けない自信があります。設立当初は、ビルの外観も個性的なので、周囲から「何者だ?」と思われている節もありましたが…、地域活動などが実を結んで、いまは地元の方々へも思いが伝わり、親交が深まってきました。ご近所の経営者同士で四谷を盛り上げるためにはどうしたらいいか、と熱く語ることもあります。
テナント料全額免除も実施
ピンチも信頼関係で乗り切る
コロナ禍において、会社にどのような変化がありましたか?
もちろん劇場などは大打撃ですし、2021年秋あたりから少しずつ賑わいが戻ってきてはいるものの、まだまだ感染防止対策などは必要な状況です。2020年の最初の緊急事態宣言のときは、全テナントに対し数ヶ月間賃料を全額免除にし、やむなく退去する場合でも極力費用はかけなくてもいいですよ、と通達しました。でも結局、退去するテナントはなく、コロナ前と同じ顔ぶれで運営できています。「損して得とれ」じゃないですが、信頼関係は以前より強まったと思っています。これまで不動産投資家として金銭的なピンチも含め様々な局面は経験してきましたし、ビルオーナーとして何かあったときの備えは十分している自負があったので、あまり動じなかったですね。開き直った、という言い方の方が正しいかもしれませんが(笑)。
叶った夢の価値をもっと上げ
楽しみも恋も諦めない!
今後のビジョンを教えてください
エンタメを自分のフィールドで作り出し、若い才能を支える「SHINJUKU 44 STATION」ができた時点で自分のひとつの夢は叶ったと言えるのですが、そもそも僕の本業は不動産投資家。これからやるべきことは、投資家として「自分たちで四谷4丁目の価値を上げる」ということでしょうか。世の中を変えるような有名なアーティストやコンテンツを輩出し、この場所をもっともっとメジャーな場所にしたいと思っています。あとは、今年(2021年)ついに50歳になり、現役でバリバリ働けるのもあと10年くらいかな…なんて考えたとき、自分自身も色々やりたくなってきています。まずは同い年の1971年生まれの男性を集めてコーラスグループを始動させたい、とか、愛する人のためにこの先もエネルギッシュでいられるように、一生を添い遂げる最後の恋がしたいな…とか(笑)。まだまだ老けちゃいられませんよね。
施設概要
名称 | SHINJUKU 44 STATION |
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所在地 | 東京都新宿区四谷4-9 東京メトロ丸ノ内線「四谷三丁目」駅より徒歩3分 新宿通りと、外苑西通りが交差する巨大交差点「 |
TEL | 03ー6380-4343 |
HP |
◆YOUTUBEチャンネル SHINJUKU 44 STATION |
芸人を諦め不動産投資家に
立地に惚れた雑居ビルをエンタメ仕様に改造
起業までの経緯を教えてください
大阪出身、小さな頃からずっと貧乏で、22歳で上京するまでは風呂ナシのアパートみたいなところしか住んだことがなかったんです。だからか、家賃収入のある「大家さん」ってのは漠然と憧れの存在でした。芸人になって有名になって、いつか新宿でビルをもってやる、という野望を持ち東京へ。しかし芸人としてはなかなか身を立てられず、皿洗いなどいくつものアルバイトをかけもちする日々。「芸で有名になりたい」「大家さんになりたい」という2本柱の夢を持ち、ひたすら貯金していました。コツコツ貯めて、数百万円で初めて購入した千葉の小さな部屋のことは忘れられないですね。やがて芽の出ない芸人の夢は諦め、不動産投資家として大きくなりたいと思ったとき、当時世間を賑わせていたホリエモン(実業家の堀江貴文さん)が言った「夢はお金で買えばいい」という言葉にひらめきを感じました。エンタメの世界で生きられないなら、自分でエンタメを作ればいい。畑は自分で耕せばいいんだ。アルバイトを続けながら少しずつ不動産投資と収益を増やしていき、ようやく手にした四谷4丁目交差点の雑居ビル。ここを丸ごと作り替え、ビルオーナーとして収益を得ながら大好きなエンタメの詰まった世界「SHINJUKU 44 STATION」を10年ほど前に始めました。