ヒューマンデジタルコンサルタンツ株式会社
- IT・コンサルティング
新宿御苑を第2のビットバレーに
顧客とともにワクワクするデジタル体験を
ヒューマンデジタルコンサルタンツ株式会社代表取締役 渡辺英志
“なべちゃん”の愛称で新宿御苑の経営者会「御苑会」発起人のひとりである渡辺代表。「僕は御苑を愛しているから」と新宿御苑とそこを取り巻く人々への思いがたっぷり伝わってきます。一方で業界の一線を走る経営者として、単に利益を上げるだけではなく、刻々と進化するデジタル技術を心から楽しんでやるぞという強いバイタリティも溢れていました。(インタビュアー 山根 聖美)
コロナ禍に強いVRビジネスも
事業内容を教えてください
業種や種類を問わず、デジタルマーケティング領域で企画・制作から運用・保守まですべて網羅します。いわゆるホームページやアプリを制作するということだけでなく、ウェブ広告やSNS運用、メールマーケティングといった売り上げアップのためのサポート、そしてコンテンツやシステムの分析・運用・保守までトータルでサポートします。これまでの制作開発運用実績は約6000件です(2021年4月現在)。また自社サービスとして3D画像のVR(Virtual Reality=仮想現実空間)とプロモーションをパッケージ化し、不動産の内覧や学校のオープンキャンパス、ファッションショーなども非対面で実現する「非対面ビジネス革命くん」、生産効率と採算管理ができるクラウド型工数・プロジェクト管理ツール「生産革命くん」などがあります。
デジタルを手段に、狙いはビジネスの最大化
御社の強みはなんでしょうか
社名に“コンサルタント”という言葉が入っていますが、その言葉通り、システムを作るだけでなく、顧客の経営の上流(条件定義や基本設計など根幹の部分)から踏み込んでプロジェクトを進めていくことができます。なぜこのシステムを作るのか、どうしたいのか、場合によっては僕がそのお客さんの会社の事業計画を作り、数字目標を上げるために動きます。より収益が上がるように、会社名や商品名まで変えた方がいいのではと提案することも。相手が若手経営者であれば、社長業そのもののあり方を伝えることもあります。ですから僕自身としてはIT企業というより、コンサルタント的な意味合いを持って動くことが多いですね。
ここはビジネスが面白くなるパワースポット
新宿御苑で起業した感想
新宿御苑という場所はおもしろい会社がたくさんあるんです。ビジネス街である西新宿でもなく、ITのメッカ渋谷でもなく、ベンチャー企業の多い五反田でもなく、新宿御苑てなんとなくマイナーじゃないですか(笑)。独立系企業が多いので、創業からすごく苦労しながら成長している人たちが多い。だからこの辺りで飲んで出会う人たちは、すごく面白いビジネスをしている素晴らしい経営者ばかりなんです。起業したはじめは賃料の問題で少し離れた新宿6丁目からのスタートでしたが、その後4回移転して、ようやく自分のゴールといえるこの場所(新宿御苑駅直結のビル)にたどり着きました。都心なのに、雑多な下町のようなほっとする雰囲気。今昔融合のいいとこどりした街。だからビジネスもいいとこ取りで活性化できると思っています。17年前に6人で立ち上げた「御苑会」も、横のつながりでどんどん絆が派生していき、今では100社以上のメンバーが集まるまでに成長しました。
飲み会の量は減ったけど、質は高まった
コロナ禍の影響はありましたでしょうか。
2020年は確かに苦しんだ一年でした。大部分をテレワークにせざるをえなく、ビルの6階と7階部分だったオフィスを半分にし、初めて縮小という経験をしました。多くの社員にとっては通勤時間がなくなり、時間に余裕ができるようになったかもしれませんが、その分オンオフの切り替えができないパターンが見られるなども。結局2020年の上半期は大幅なマイナス、テコ入れをして下半期で盛り返したという感じです。成長できる人というのは、こういう時にできたゆとり時間こそ学びに変えて自分のプラスにしていますよね。社員にも自宅作業であっても会社と自分の成長を考えて仕事に取り組んでほしいと話しています。プライベートでは、頻繁にZoom飲みなどをして会えなくても経営者の横のつながりは保っていました。自宅で好きなお酒とつまみを片手に、助成金の話などもよくしてましたね。飲んで話す回数は減りましたが、かえって絆は強まったと思います。仲の良い経営者仲間たちは、皆コロナ禍を乗り切ってますね。
デジタルは、ビジネスをおもしろくできる
今後のビジョンを教えてください
AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット化)、ICT(情報通信技術)、5G(第5世代移動通信システム)などは聞いたことがあるかと思いますが、これら先端技術は未来の社会を大きく変えると言われています。もちろん、私たちもそれに関わっていくのですが、一方でより身近に「デジタルは仕事をおもしろくしてくれる」とも考えています。ひとつのシステム、ひとつのウェブサイトが、ビジネスに新しい選択肢をつくり、思ってもいなかった景色がひらける。インターネットの歴史は、人間が何度も挑戦を繰り返して作られた英数字のコードの集合体です。無機質とも受け取られかねないこれらのコードが、企業やビジネス、社会のその先まで笑顔を届け、最後には人の感情を動かすということ。このワクワク感をこれからも大事にしていきたいですね。
最後に、この新宿御苑特集に期待することがあれば教えてください
たくさんの新宿御苑の人たちがこの特集ページに集まるのでしょうから、その社長さんたちが皆「御苑会」に入ればいいのになと思っています(笑)。街の盛り上げ役が必要ですし、経営者って社内ではなかなか弱音を吐けないものなので、御苑の経営者みんなにとっての、心の許せる場所ができるといいですよね。
法人概要
会社名 | ヒューマンデジタルコンサルタンツ株式会社 |
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設立 | 2007年5月 |
事業内容 | 【デジタルマーケティング全般】 |
所在地 | ■本社 ■大阪支社 |
HP |
がむしゃらに働いた勤め人時代、最後にたどり着いた新宿御苑
新宿御苑周辺で起業した理由をお聞かせください
新卒で入社したカー用品販売の最大手企業では、新人にも関わらず本社の企画中枢に参画したいと熱烈にアピールし、晴れて情報システム部に配属。大企業のシステム構築に携わりながらインターネット黎明期のEC(ネット通販)の先駆けに絡むことができました。取引先のITのプロたちと対等にやり合うために休日のほとんどをつぎこんでデジタル技術について学びましたし、経営、マーケティング、英語なども必死に勉強していました。8年勤め、その後のステップアップのための転職先は、あえて当時自分が大嫌いだったモバイル系のシステム会社へ。着メロやiモードなどが流行っていた時代、私はいわゆるガラケーが大嫌いで、嫌いだからこそ知ってやろうという新たな挑戦でした。大企業からベンチャー企業への転職でしたので、より社長の仕事ぶりなども間近に見ることができました。その後、ある赤字体質の会社の立て直しを頼まれ、事業部長として入社。半年で取締役、一年後には副社長となり、黒字化にも成功。よりやりがいを求め起業を決意しますが、最後に勤めた会社が新宿御苑にあり、自分をはじめ数人の発起人で近隣の経営者を繋げる「御苑会」を企画していたので、起業もこのエリア以外あり得ないという選択でした。創業当初は「株式会社ウェブスマイル」という社名でしたが、現在はヒューマンホールディングズのグループ企業となり2019年より「ヒューマンデジタルコンサルタンツ株式会社」となりました。