グット ド レザン
- 飲食業
Goutte de Raisin
グット ド レザンオーナー 杉本 宏
ソムリエとして、シェフとしても長年の経験と実績を誇るグット ド レザンのオーナー杉本さん。
ソムリエの証である金色のブドウバッジを輝かせながら、「本当においしいワインを飲んでもらってワインラヴァーを増やしたい」と語ってくださいました。
(インタビュアー 金井)
オンラインワイン会に商品開発も手掛ける
事業内容について詳しくお聞かせください。
飲食店の経営以外に、ワイン会を定期的に開催しております。色んなをワインを同時に飲むことで味の違いがよくわかりますし、コミュニケーションもとれるので楽しめると思います。現在は、ZOOMでワイン会を開催しております。事前にお料理と1/4サイズのワインを宅配便でお届けし、みんなで同じ料理とワインを楽しみます。以前はお店にご来店いただける方しかご参加いただけませんでしたが、ZOOMで開催することにより、地方の方にもご参加いただけるようになりました。
また、通販でもご購入いただける自家製のカルパッチョソースの販売を開始しました。市販のお刺身にかけるだけでカルパッチョをご家庭で楽しめます。お刺身以外にもローストビーフといったお肉にもおすすめです。ホームページにもソースを使ったレシピを掲載しておりますので、色んなアレンジを楽しんでいただけます。第二弾、第三弾と引き続き開発する予定です。
本当においしいワインを飲んでいただくために
御社の強みを教えてください。
お客様に最高の状態のワインをご提供できるように、仕入れに力を入れいております。ワインは温度管理を怠るとコンディションが崩れてしまいますので、本来であれば生産地からお店に着くまで15度前後で保管しなければなりません。20度を超えると味わいに影響が出てしまう繊細なものなのです。国内に流通しているほとんどのワインはそこまで徹底された温度管理はされていません。きちんと温度管理をされたワインは安くてもおいしいです。しかし、輸入したあとの配送過程や倉庫での管理の問題により香りや、味わいが変わってしまうことが多々起こっています。グット ド レザンでは、温度管理が徹底されている信頼のあるインポーターさんとしかお付き合いをしておりません。生産者が作ったワインをそのまま届けていただき、お客様にご提供いたします。正しく管理されたワインを飲んでいただき、ワインラヴァーが増えてくれることを願っております。
お料理はワインに見合ったものをお出ししております。食材にもこだわっており、私の地元、南信州の有機栽培の野菜と野生の鹿などを使用しております。より美味しいものを食べていただきながら、美味しいワインを飲んでいただく。これ以上にない幸せです。そういったものをお客様にご提供いたします。
個人経営のお店が多い新宿御苑
新宿御苑に出店してみて実際どうでしたか。
四ツ谷三丁目と恵比寿に何年もいましたが、その辺りとは異なり新宿御苑はコミュニティが狭くて面白い街ですね。飲食店同士の横の繋がりがありますので、お互いに助け合えるところがいいです。例えば、近所の仲の良い飲食店8店舗で、「内藤とうがらし」という食材を使ったお料理をテーマにスタンプラリー企画をしたことがあります。こういった企画は一店舗だけではできません。仲間がいたからこそできた企画です。個人経営のお店は、オーナーの顔や個性もよく見えます。新宿御苑は個人経営のお店が多くあるので、新宿駅周辺とは違った魅力があるエリアだと思います。
Fanterviewの御苑特集に期待することはなんですか。
地域に特化した通販サイトができると嬉しいです。個人店だけの通販サイトですと、品数も限られてしまうので地域のいろんなお店の商品を取り扱っている通販サイトがあるといいですね。通販サイトを見て、良い商品があれば知っていただけるきっかけにもなりますし、いろんな人のプラスになると思います。
新たな取り組みをした一年。
コロナ禍において、会社にどのような変化がありましたか?
営業時間が短くなってしまったのでお客さんは減りました。グット ド レザンはコース料理が中心ですので18時までに料理の提供を開始しなければ20時の閉店に間に合わなくなってしまいます。18時過ぎるとコースの提供が難しくなるので18時にお店を閉める日もあります。
この厳しいコロナ禍で、生き残るためにできることはなんでもやろうと思いました。去年(2020年)の4月にはテイクアウトを始めて、すごく忙しかったです。また、地元から仕入れいてる有機野菜の販売や期間限定の酒販免許を取得しワインの販売も始めました。コロナが終息しても去年始めたことを続けることで、お店にとってはプラスになります。この一年で色々なことが経験できたことはよかったです。個人的には、調理専門学校の通信学習を始めました。学校には行ったことがなかったので調理についてもう一度基礎を見つめ直しています。
本当のワインは美味しさを伝えていきたい
今後のビジョンをお聞かせください。
ワインラヴァーを増やしたいです。コンディションのいいワインを飲んでいただくことで、ワインって美味しいんだなってことに気が付いてほしいです。温度管理が甘いワインを飲んで、ワインが苦手だと思われていたら非常に残念です。本当のワインはもっと美味しいんだよってことを皆さんに伝え続けることが、私のビジョンです。
店舗情報
店舗名 | Goutte de Raisin グット ド レザン |
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営業時間 | 17:00-24:00(L.O.23:00) |
定休日 | 日曜日 |
住所 | 〒160-0022 |
電話番号 | 03-6273-1721 |
ウェブサイト |
あまりにも美味しいワインとの出会い
起業までの経緯を教えてください。なぜ新宿御苑で出店しようと思ったのですか。
20歳の頃はバイクレーサーの傍らワインバーで、アルバイトをしておりました。そのアルバイト先で、先輩にシャトー ラトゥールというワインを飲ませていただきました。そのあまりの美味しさに、ワインって素晴らしい!こんなにおいしい飲み物があるのかと感銘をうけたものです。当時の私はお酒は酔うために飲むものという認識でしたので、本当に感動してしまいました。自分が出会ったようなワインを人に紹介をする仕事をしたい。私はバイクレーサーを辞め、ワインの世界に入るために勉強をはじめました。現在は日本国外問わず展開するワインショップ「エノテカ」の1号店で初代マネージャーを務め、その後支配人兼ソムリエとして蒲田のフレンチ「シェ麻理お」、飯田市の「レストラン本田」「資生堂パーラー」銀座本店など数件で経験を積み、1995年先輩と共にフレンチとイタリアンをカジュアルに楽しめる「サッカヴァン」を四谷三丁目にオープン。1997年頃にはワインバーブームも到来し、数々のメディアにも取り上げていただきました。「サッカヴァン」恵比寿店、スペインバル「タパチョス」もオープンし計3店舗を経営しました。料理は独学で始めましたが、「サッカヴァン」でシェフをやって頂いた、小川軒系列のフレンチで修業された先輩シェフに本格的に教えていただきました。私の料理の才能も評価され、最終的には3店舗の料理長を務めることになりました。2014年に四ツ谷三丁目店を恵比寿店と統合するかたちで閉店し、2015年にグット ド レザンを開店しました。
新宿御苑に出店した経緯につきましては、長いこと四ツ谷三丁目でお店を経営していたので、その周辺で物件を探していました。ちょうどいい物件が見つかったので、ここでお店を始めました。