通常インタビュー

イヌの性格と飼い主のライフスタイルに合わせて
最善の方法でトレーニングをするドッグトレーナー

エルフドッグスクール

代表 田中 康智

ドッグトレーナー

エルフドッグスクール 代表 田中 康智

パピー犬から噛み癖や無駄吠えなど問題行動を抱えた犬まで、幅広くトレーニングする“エルフドッグスクール”の田中代表。

イヌの問題行動を飼い主のライフスタイルに合わせて解決してくれる凄腕のドッグトレーナー。

動物の保護活動もしており、保護犬の問題行動改善のトレーニングをボランティアでされている、穏やかで優しいけれど心の中に熱いものを持っているお方です。
田中代表が犬と目を合わせると、犬が不思議と静かになって田中代表を受け入れていました。そんな魔法のようなオーラと本物の技術を持ったドッグトレーナーです。

(インタビュアー 木内)

エルフドッグスクール

住み込み修行を経て独立

━ 創業の経緯を教えて下さい。

昔から、犬や猫に限らず動物全般が好きでした。
当時は漠然と海外の密猟から動物を守るレンジャーになりたいと考えたりもしましたが、現実的に考えて諦めました。

動物系の専門学校に通っていたときに、1カ月の課外活動があり、まだやりたいことが定まっていなかった私は、“訓練士”という欄に「警察犬や盲導犬の訓練をするのかな?」と軽い気持ちでチェックを入れて参加しました。
そこが家庭で飼育されている問題行動を抱えた犬の訓練をする施設だったのです。

そこで私は、「自分のやりたかったことはこれだ!!」と衝撃のようなものを受けました。

卒業後に4年間訓練所に住み込みで修業をして、その後ドッグトレーナーとして独立しました。

エルフドッグスクール

トレーニングからセミナーや指導まで幅広く

━ 事業内容を教えて下さい。

エルフドッグスクールでは、出張訓練が業務の8割を占めています。
無駄吠え・噛み癖・引っ張り癖などの問題行動を抱えた犬を飼育しているご家庭に出張訪問して、問題行動を直すための訓練や生活改善の指導を行っています。

その他には、ペットショップの店員など後進の指導をしています。

また、知的財産のゼミなどでセミナー講師としても活動していました。
今の時代、ネットで犬のしつけの仕方はいくらでも調べることが出来る知的財産としてフリーなのにもかかわらず、誰にでも出来るものではない専門的な技術が必要なのが現状です。
こういうものを研究しているゼミで、どうやって技術を習得したのかなど話していました。

そして、最近では老犬の介護も対応しています。
今まではお断りしてきたのですが、私自身ドッグトレーナーとして20年近くやっているので、自分の中で身についてきたものも増え、人としても経験値が上がったので、自信をもってお受けしております。

深夜の徘徊や遠吠え、トイレの垂れ流しなど、飼い主のライフスタイルに合わせてどう向き合っていくか、どう対応していくのかを指導しています。

 

エルフドッグスクール

犬だけでなく飼い主のライフスタイルまで見極めた指導

━ 仕事をしている上で、大切にしていること心掛けていることは何ですか?

一番気を付けていることは、常に慢心しないことです。
若い頃から独立して、周りから先生と呼ばれていると、どうしても自分の世界観が頑固になってしまって、他所からの話を素直に聞けなくなったりしました。

そういった時期を経て、年を取るとともに自分の考え方も柔らかくなってきて、色んな情報が耳に入ってくるようになりました。

仕事で飼い主さんからヘルプを出されている以上、新しいものをいち早くキャッチし最善の方法で解決するよう、自分の先入観を取り除いて物を見ることを心掛けています。

その他には、トレーナーにありがちなのですが犬が一番になってしまって、「共働きの家庭などお留守番のストレスのせいで問題行動を起こしているので、生活形態を変えるか無理なら諦めるしかない」というような指導を受けている飼い主さんが、私のところに救いを求めて駆け込んできたりします。

そんな時、犬だけでもなく飼い主さんだけでもなく、両方をしっかり受け止めたうえで、じゃあどうしたらいいのかを考え指導していくように心掛けています。

エルフドッグスクール

殺処分の現実や保護活動ということを広く知ってもらうために

━ 保護猫・保護犬の活動について教えて下さい。

私は“ホルモン田中”という名前で、保護犬の問題行動を直すトレーニングを無料で行っています。

保護猫に関しては、トレーニングが出来ないので資金援助という形をとっています。

保健所に送られ、殺処分になる動物を“レスキュー”と呼ばれるボランティアの方が保健所から助け出してくれます。

その後、一時預かりをしてくださるボランティアの方の所へ行って、譲渡会などが行われるのですが、やはり噛み癖や無駄吠えなど問題行動を抱えた犬は譲渡会で里親を見つける事が難しく、また一時預かりの方の所へ戻って行きます。

すると、一時預かりがいっぱいになってしまって、レスキューが出来なくなってしまうのです。

少しでも問題行動が無くなり里親が見つかりやすいように、一時預かりの犬のトレーニングは交通費も含め全て無料でやらせて頂いています。

保護活動は、とても小さなコミュニティーの中をぐるぐる回っているだけで、なかなか広がって行かないのです。

なので、私は少しでもこの活動を知ってもらうため、関心を持ってもらうため、ワインエキスパートの資格を取得しました。

ワイン好きの方は割と富裕層の方が多く、話も上手い経営者の方が多いです。
そんな方との繋がりを持って、ワインを通して保護猫・保護犬をもっと知ってもらおう、広げてもらおうと思ったからです。

そして、私自身もチャリティーワイン会を開き、その中から保護猫の活動をしている団体に寄付をさせて頂いています。

エルフドッグスクール

ドッグトレーナーとしての仕事のやり方を変える

━ 今後のビジョンを教えて下さい。

現状、ドッグトレーナーは飽和状態です。一定数の依頼をトレーナー同士で取り合っています。

また、年々犬の生態販売の数が減ってきています。そして、犬のしつけの情報もネットで溢れかえっています。

必然的に私達ドッグトレーナーの仕事が減っていきます。

なので、このままのビジネスモデルだけでなく、誰にでも分かるトレーニングの方法を、小学生でも分かるようなとにかく理解しやすい方法を使って、誰でもきちんと問題行動を直せる情報をリリースすること。
動画などを使って説明をしていくことを考えています。

そして、ある程度仕事量が減ってドッグトレーナーの数も減ると、やはり残れるのは確かな技術と知識を持ったトレーナーだと思います。
日々勉強し誰よりも優れたトレーナーになる努力もしていきます。

保護猫・保護犬の活動に関しては、とにかく多くの方に知って頂きたいです。
興味を持つこと、現状を知ること、狭い活動のコミュニティーを少しでも広げていくことが目標です。

ワイン会などを通して、今まで保護猫や保護犬を知らなかった人が興味を持ってくれて、私のFacebookの譲渡会の報告に「イイネ」をくれるだけでも情報は広がっていきます。

そして、殺処分がゼロになり、保護活動をしている方の活動費が集まりやすくなるような社会になっていくようにしたいです。

PROFILE

エルフドッグスクール 代表 田中 康智

エルフドッグスクール代表 田中 康智

日本医歯薬専門学校 動物コース卒

石田愛犬訓練所で4年間住み込み修業

エルフドッグスクールを開業

http://www.elfdogschool.com/contents/about/

2018年8月8日 公開

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