通常インタビュー

五感をフルに刺激する「森」を使った新感覚の体感プログラム

Nature Meetings

河村智行

教育・学習支援研修

Nature Meetings 河村智行

Nature Meetingsの代表河村智行様にインタビューさせて頂きました。「非日常」を巧みに演出し、心と身体にリズムを取り戻し、「内省」と「対話」を促すサービスについてお話を伺いました。(インタビュアー:小俣)

五感・ダイアログCAMPについて

― 「森」を使った体感型の研修プログラムを提供されてると伺いましたがどのようなものでしょうか?

はい。「五感・ダイアログCAMP/よるの森のハイキング」という、森で一昼夜(約24時間) を過ごしていただくプログラムです。
ひる・よる・あさの森や、清流のほとり等で無理なく&出来るだけ過ごします。

Nature Meetings

―「森」ではどのように過ごすのですか?

ニーズや状況に応じて、食事や星空ウォッチなどのプログラムを設けますが、それ以外の時間は、特に「これをしてください」という決め事はないんです。一通り森をご案内して、そこでどう過ごすかのアイデアはいくつか提示させていただきますが、基本的には思い思いに過ごしていただいています。
木陰で休んだり、沢の近くで過ごしたり、まき割をしたり、火をおこしたりなど様々ですね。
まずはリラックスしていただき、五感を解放してもらえるようにと考えていますが、人によって感性もリラックスの仕方も異なるので、それぞれの過ごし方を大切にしています。

― どういった方がこの研修を利用されていますか?

主にビジネスパーソンに利用していただいています。
クリエイティブな活動をされている方が、アイデアを出すきっかけとして使っていただいたり、チームで参加してオフィスでは発見できないお互いを知ってもらったり、連帯感を強めていただいたりしています。
日常から離れた非日常の時間の中で、普段自分がもっているバイアスや固定観念、思い込みみたいなものがリセットされるという声もいただいています。
そうした意味ではどんな方にも活用してもらえる研修ブログラムだと思います。
また、「メンタルヘルス」をテーマにした取り組みも行っています。都内の公園を使ったプログラムでは、睡眠や食事等の生活習慣が改善されて、体力や気力が戻り、見事に社会復帰につながったケースもありました。

 

Nature Meetings

―研修というと構えてこられる方も?

中には連れてこられる方もいらっしゃるみたいで(笑)「研修なのにこんなことをしていていいのかな?」とか「どういったことが目的の研修なんだろう」と不安やストレスを感じたり、意図を想像して余計に気をまわしてしまう方もいらっしゃいます。
何時までにこういうことをしてください、こういうことについて考えてくださいっていうと、研修に慣れていて、いろんな知識も経験もあるので、「うまくやる」と思うんです。
決められた時間内に求められているであろう答えを出す能力って、皆さんお持ちだと思うんです。
でも、それが本質的な答えか、本当に腹落ちするかというと…必ずしもそうとは限らないと思うんですよね。
なので、できるだけ予定調和を作らずに、自然に身をゆだねながら、そこで出てくる本当の自分の声に耳を傾けてもらいたいんですね。強制ではなく、文字通り自然な「内省」と「対話」、本当の意味での自問自答の時間になればいいなと。

 

―継続して利用されると効果も感じやすいのでしょうか?

はい。企業様のニーズによって継続的に利用していただくこともあります。リピートでご利用いただいている方のお話から、回を重ねるごとに内省が上手になるというか、自然の中で過ごすという「非日常」を活用できるようになることがわかります。
「ちょっと煮詰まったので整理する時間にあてたい」とか「普段背負っているものを一度降ろしに」「何もせずに五感を解放してみたい」など、自分なりの目的を見つけだせるようになります。

―実際に研修を終えた方はどのような効果を実感されているのでしょうか。

ここで、実際に研修を終えたご利用者様のお声を一部抜粋してご紹介します。

【企業人事労務専門弁護士】
「森に入ると理性から解き放たれて本能優先になる(素直になる)ので、その状態でワークをすると、日頃“目先の課題”に囚われて失われている“本当に大事なこと”を考える時間ができると思われる。これは、労務管理にも生きるのではないか」

「マインドフルネス、Zen の活用など、自己との対話・内省が推奨される中、“森に入る”ことは最も有効なその手段ではないだろうか。普段と場所を変え、人工的な光・構造物をシャットアウトし、“五感”を研ぎ澄ますことにより見えてくるものがあると思います」

【営業・組織コンサルタント会社代表】
「視覚や聴覚だけでなく、緑の香り、肌の心地よさ。なんだか自分の五感がフルに活動してきました。そう、日常から解き放たれてみるといかに五感を使っていないのか。森の中にいるだけで、おそらく誰しも本来自分が持っている、とっても大事な感覚を呼び起こしてくれて、なんだか気分が良くなってくることをはっきり感じることができるのです。“人”って、本当は五感をフルに感じていたいんだ。それが幸せの第一歩なんだとあらためて感じる瞬間を得ました」

「自分の“本当にありたい姿”、そこから何を自分はやっていきたいのか、そもそもこれからどんな生き方をしていきたいのか…。日々の忙しい日常では決して意識しないそんなこと。“森”だからありのままの自分と対話することに集中させてくれるのだと思います」

【クリエーター】
「とっても素晴らしいひと時でした。癒されて、そして楽しかった。森の中で心から安らぐことができて、そして、自己認識が深まりました。私の今の心境や環境、季節、気候、一緒に過ごした方やスタッフ…等、すべてが一体となって、“あの一瞬の森”に出逢えたんだなあと思います」

「思えば子供の頃はそんな感覚で日々を過ごしていたように思いますが、人の作る社会の中で、他者や多数を意識して生きるようになってから、感覚というより知覚で世界を認識し、脳では連続して判断と結論付けを行ってきていると感じました。この世界の捉え方の違いに気づけたのが、今プログラムに参加してもっともよかったと思うことです」

 

Nature Meetings

―なるほど。これは実際に体験してみたくなりますね。今後のサービスの展開として考えていることはございますか?

こうした体験を気軽に継続的にできる「場作り」に力を入れていくというのも課題として考えています。
たとえば「森」の整備です。人にとって居心地のよい森というのは、ほったらかしにしていてはできません。定期的に人が入って、整えていくということが必要だと感じています。そうしたことも有志の皆さんと一緒にやっていきたいと思っています。(例えば、山梨県の道志村には「養老の森」という、森づくり・人づくりのプロジェクトがあります)

一昼夜という時間をなかなか取れない方に対しては、日帰りで利用できる企画、例えば「古民家」を使っていつもとは違う会議をしてもらったり、夜に集合して囲炉裏を囲んでざっくばらんに話し合ってもらうようなものなどです。
森で起こることを調べていくと、脳科学や、禅・マインドフルネス、ヨガなどにもつながっていきます。森に限らず、街でも多くの人に「気づき」や「きっかけ」になる機会を創っていきたいと思っています。

Nature Meetings

―このサービスを提供するようになったきっかけや考えについてお聞かせ願えますか。

広い意味合いで言えば「人の元気」ということにつきると思います。
少し立ち止まって考えてもらうことで、本来自分がやりたいことが見えてくると、例えばそれが元気に働くということにも繋がっていくと思うんです。

キャリアを考える中で「will(やりたいこと) 」「can(できること) 」「must(すべきこと) 」といいますが、このうちの「can」と「must」については、頭で考えたり人と話したりする機会が多いと思うんです。
いつの間にかやらなければいけないことが増えているっていうことも、誰でも経験されていることだと思います(笑)

それに対して「will」に関しては、誰かが教えてくれるものでもないし、ロジカルに考えれば出てくるというものではない。予め決まった正解があるわけでもありません。
でもこの「will」が最も人の原動力になる部分で、軸になるものだと思うんです。
「やりたい」っていう気持ちが実際に価値を生んで、それが自分の嬉しさにも繋がって、次の「やりたい」につながっていく。そういうことが体現できれば、世の中に広がればいいなと思っています。
そんなお手伝いが出来たらという思いがあってこのサービスに至りました。

PROFILE

Nature Meetings河村智行

順調にキャリアを重ねていくサラリーマン時代にあっても、自身の本当にやりたいこと(will)はなにか、と常に模索してたと語る河村氏。
「リクルート」という看板を取り払った後に自分に残るものは何か、例えば暗い森で一人になった時、はじめて自分の価値や自分のやりたいことを見つけられるのではないか、そうした思いから、約12年のリクルートでの経歴に区切りをつけたと語ってくれました。
それから数年にわたり海外でのボランティアワークや遊学経験を経て、とにかく興味があることに耳を傾けて様々な経験を通して今のサービスに行きついたということですが、まさに自身の人生の経験を糧にできた、「内省と対話」を通して「人を元気にする」サービスなのだと感じました。
本日は貴重なお話をお聞かせいただき有難うございました。

ホームページ  https://www.yorumori.jp
フェイスブック https://www.facebook.com/yorumorihiking

2017年11月16日 公開

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