通常インタビュー

資金繰りから助成金サポートまで
元経理マンの社労士が経営をバックアップ

社会保険労務士法人 帝王労務管理事務所

代表社員 田中 實

社会保険労務士

社会保険労務士法人 帝王労務管理事務所 代表社員 田中 實

社労士の難関試験を独学で一発突破したという田中社長。しかし少年時代はヤンチャでゲーム三昧、漢字は簿記の専門学校で初めて知ったようなものばかりだったとか。簿記の楽しさに気付いてからは、あまりの別人ぶりに周囲も心配するほど学びに時間を費やし、そのバイタリティは社会に出てから遺憾なく発揮され、今では多くの著書を持つ独立系社労士で、助成金サポートのスペシャリストとも言われています。判断や行動の早さにあわせ、仕事の基本や人脈を疎かにしない、個性的でとどまることのない実力派経営者だと思いました。(インタビュアー 山根 聖美)

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「稼げない」と揶揄された社労士でトップへ

━ 起業までの経緯を教えてください

簿記の専門学校を出た後に入社した床暖房のメーカーでは、総務・経理部に配属されたのち10年で部長代理となり、その後幹部候補として入社したプラスチックパレット製造メーカーで、労働者の健康被害を防止するための第1種衛生管理者という国家試験を満点一発合格しました。その試験科目が社会保険労務士(社労士)試験と重複する部分があり、上司が「社労士資格も取ってみたら?」と。軽い世間話から火がついてしまい、平日は仕事が終わった後に毎日8時間、休日は丸一日勉強に費やし、合格率数パーセントながら独学で一年目に合格することができました。その後、すぐに開業準備を始めたところ、周囲からは「社労士で独立しても仕事がない」「儲からない」なんて声もたくさん耳に入ってきましたが、業界自体が厳しいなら、顧客にメリットを感じてもらうための手法を自分で作り出そうと、起業やビジネスに関する本を200冊くらい読みました。2010年、当時住んでいた栃木県・佐野市に「田中社会保険労務士事務所」を開業。地方では既存の事務所が強いため、それなら全国規模で有名になろうと、すぐに書籍の執筆活動を開始。大手出版社から本を出しつつ、現在までほとんどがご紹介でお客様を増やしています。開業翌年には東京都内に「帝王経営コンサルタンツ」を設立。現在は私の出身地である上野に拠点を移しました。セミナー・講演などはこれまで約800回の実績があります。

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総務・経理経験活かしたサポート、特殊な案件も得意

━ 業務内容を教えてください

社会保険、労働相談、労災手続、就業規則、助成金の代理申請といった人事労務管理の専門家である社労士業務はもちろん、サラリーマン時代の経験も活かして、企業の総務・経理全般のご相談もすべてお受けしています。資金繰りなど財務にまで精通している社労士は全国的に見ても稀だと思いますし、行政との交渉力にも自信があるので、特殊な案件や他で解決できなかった問題で相談に来られる方も少なくありません。いつもお客様には「困ったらとにかく私に相談してください」とお話ししています。従業員の環境変化や、お給料のこと、経理処理、経費削減など、どんなに細かいことでも、お悩みをお聞きすることでお客様の状況が分かるだけでなく私自身の学びにもなりますし、他士業の方々とのネットワークもありますのですぐに適切なアドバイスをすることができます。2022年9月現在、顧問先は約300件、スポットで依頼されている案件は2000件ほどあります。

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助成金は「社会貢献」。躊躇せず活用すべき

━ 御社の強みはなんでしょうか

社労士であるからこその助成金サポートはひとつの強みだと思っています。コロナ禍で話題になった雇用調整助成金など厚生労働省が提供する助成金の代理申請は社労士の独占業務で、私も約80種もの助成金をお客様に積極的に提案しています。毎年春に助成金の新設や変更があるのですが、ひとつの助成金につき何百ページにも及ぶ資料の細かいルールを厚労省や労働局に何度も確認しながら数週間から1ヶ月かけて完璧に把握、お客様向けに分かりやすい資料を作り、LINEなどを使って情報提供し、申請サポートまで行います。助成金はどれも返済義務がなく、使途も自由なもの。企業の成長のためにとても優れた制度なのですが、なかには助成金に対し「国からお金をもらうなんて申し訳ない」と考える経営者さんもいらっしゃいます。しかし、助成金の財源は国ではなく、会社が毎年払っている雇用保険料からなんです。企業が助成金を受け取ることで従業員の新規雇用が生まれたり、労働環境が改善すれば、経済がより活性化し、国には税金という形でお金が入る。つまりこれは社会貢献なんです。ですから私もお客様には自信を持って「助成金活用はもはや義務」と断言しています。しかも助成金の受給は、国からの審査をパスしたとも言え、企業信頼度が上がり、公的融資などが受けやすくなるというメリットもあるんですよ。活用しない手はないと思います。

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自由度高い職場づくりで効率的な仕事を

━ 仕事をするうえで大切にしていることは何でしょうか?

サラリーマン時代から「人のせいにしない」ということは常に心がけていました。仕事にはトラブルがつきものですが、こういう時こそ人間性が問われます。信頼を失わないよう、責任感と人のつながりは特に大事です。従業員に対しては、会社にとってやるべきことを取り組んでもらえたら、それ以外はかなり自由度を高くしています。たとえば、髪型や服装は自由。早退や途中の外出もLINEの連絡のみでOK。その分集中して仕事をしてくれたら、あとの時間は遊びや休息に充ててもらいたいと考えています。また、開業準備をしていた時は心理学も学び、新人の社労士でも印象に残るために、服装や振る舞いなどにも気を配っていましたね。社労士バッジが目立つ真っ黒のダブルのスーツにとんがった靴を履いたり。一緒に仕事をすれば信頼してもらえる自信はあったので、まずは良くも悪くもインパクトを残そうと考えたんです(笑)。社名の「帝王」という言葉も、いろんな解釈で受け取られますが、覚えてもらいやすいようですね。「帝王」で商標権も取得しました。

 

足場を固めて高く飛ぶ

━ 今後のビジョンを教えてください

社労士としてセミナー講師を行う機会が多いのですが、2022年秋に、生命保険の営業職員が集まる全国組織JAIFA(一般社団法人 生命保険ファイナンシャルアドバイザー協会)からの講演依頼がありました。日本中のお金のプロフェッショナルが集まるJAIFAの舞台に立つということは、セミナー講師としてひとつの目標でしたので、依頼をいただいた時はとても嬉しかったですし、今とても楽しみにしている仕事のひとつです。開業してもうすぐ13年、昔からお世話になっている顧問先から、これから始まる大きな案件など、ご紹介を中心に日々たくさんの仕事に恵まれている状況が続いています。新旧どちらか一方ではなく、バランスよく取り組み、足場をしっかり固めながら飛躍していきたいですね。

PROFILE

社会保険労務士法人 帝王労務管理事務所 代表社員 田中 實

社会保険労務士法人 帝王労務管理事務所代表社員 田中 實

たなか・みのる
1973年東京都生まれ。1993年村田簿記専門学校卒業後、民間企業に入社。2010年社会保険労務士合格。同年田中社会保険労務士事務所設立。2011年株式会社帝王経営コンサルタンツ設立。2014年帝王グループ株式会社設立。

【役職(2022年10月現在)】
・帝王グループ 株式会社 グループ会長
・社会保険労務士法人帝王労務管理事務所 代表社員
・株式会社帝王経営コンサルタンツ 代表取締役
・東京人材育成教育センター代表(センター長)
・一般社団法人 全国給与計算検定協会 代表理事
・一般社団法人 全国助成金診断士協会 代表理事
・一般社団法人 全国健康保険協会 代表理事
・一般社団法人 全国社会保険協会 代表理事
・株式会社えすぴいメンテナンス 代表取締役 (アメリカ大使館等の清掃)
・もみりんの里 ジョイフル本田店(整体&リラクゼーション)オーナー
・天使のホワイトニング(セルフホワイトニング)オーナー

【保有資格】
・社会保険労務士(国家資格)
・第一種衛生管理者(国家資格)
・日商簿記1級・全経簿記1級・全商簿記1級
・日商珠算2級
・空手2段(極真空手:剛柔流空手)

【株式会社帝王経営コンサルタンツ】
〒110-0005 東京都台東区上野7-10-12 安達ビル2階
(JR上野駅 入谷口から徒歩2分)

TEL 03-5827-3667

HP srminotanaka.web.fc2.com

2022年10月20日 公開

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