社長の思いを体系化し
利益を生み出す「人」と「仕掛け」を作る
株式会社プロモーターズ・カンパニー
代表取締役 石川アサ子
組織設計コンサルティング
大企業やベンチャー企業での秘書を皮切りに、経営者を間近に見ながら豊富な経験を積み重ねてきた石川さん。独立後は企業の課題を交通整理し、利益を生み出す体質に立て直すプロフェッショナルとして「つまるところ、組織は人です」と断言します。気さくで話しやすいお人柄ながら、ご自身のキャリアアップへの奮発力やクライアントへの熱量はとても高く、まるで悩める中小企業にとってのジャンヌ・ダルクのよう…など、取材中に感じてしまいました。(インタビュアー 山根 聖美)
社長の思いを汲み、組織を改革
成長を志す中小企業に対し「組織設計コンサルティング」を行います。会社の仕組みは、100社あれば100通りになると思っています。その答えは社長さんの中に必ずあるのですが、それをうまく体系的におとすことって意外と難しいんです。ですから、社長の人柄や信用力で仕事は取れるものの、大企業と違って人材育成などに時間を割くこともできず、優秀な人材が入社しても育つ前に離職してしまうケースがとても多いです。“会社”というのは概念でしかなく、会社に存在しているのは“人間”それだけです。だから私は企業が利益を生み出すために必要なことは「人」と、人を活かすための「仕掛け」だと思っています。組織設計では、まず社長が抱く経営理念・ビジョン・行動指針などを言葉で明確化し、今ある業務や人材もすべて棚卸して再評価し、具体的な行動計画・数値目標を作っていきます。その上で、組織の財産である「人」を活かすために、社員のモチベーション高める人事評価などの「仕掛け」を作っていく。これが組織設計の大枠です。平均で6ヶ月ほどかけて設計し、その後は社員研修なども行いながらフォローアップしていきます。
勤め人としての苦い思い出を糧に
強いて言えば、私自身と、私が積み上げてきた経験が強みだと思っています。経営者の参謀役として秘書を長年経験し、優秀な経営者の決断力や行動力を間近に見てきました。その後、複数の会社で実務も経験しました。もちろん良いことばかりではなく、昔ながらの年功序列や、性別による偏見などで不満を抱えていた時期もありましたし、頑張っても十分に評価されない悔しさも味わいました。だから会社から離れていってしまう社員の気持ちがよくわかるんです。また性格的にも物事が曖昧なままでなく、腑に落ちないと嫌なタイプ。社長の思いをたくさん聞いて、それを整理し、組織を作り直すことで社長と社員が意欲を持って仕事に取り組めるようになり、結果利益を生み出すことができるようになる組織設計はとてもやりがいがあります。組織設計から事業計画、業務改善計画まで策定したあとに、社長さんから「見違えるほどに社員が変わったよ」という声をいただけた時は本当に嬉しいですね。
人と人の繋がりで仕事ができる
人間力を磨くことですね。独立を志して中小企業診断士の資格を取得した際、当時働いていた経営者塾の塾長に「仕事は資格でするんじゃないよ、お客さんは人間についてくるんだからね」と釘を刺されたことは今でも教訓にしています。お客様には誠心誠意、心をこめて接し、人と人との繋がりを一番大事にしています。組織設計をする時も社長さん、社員さんの人間性を尊重しながら進めますし、私もお客様から自分の人間性を見られていると意識しながら仕事しています。
オンラインで拠点を全国に拡大
コロナ禍に突入したことをきっかけに、事業をオンラインでも始めました。まずはZoomを使った「経営者のための組織設計セミナー」に参加していただき、関心をもたれた方にオンラインで組織設計コンサルを行います。これまで首都圏中心での活動だったので、これを機に全国どこでもサポートできるように体制を整えました。また、経営者向けにYOUTUBEを使った動画コンテンツの作成も始めようと思い、現在準備を進めているところです。セミナー講師などの機会が減り、コロナ禍は少なからずダメージもありましたが、ピンチをチャンスに、これからは地方の中小企業も全力で応援したいと思っています。
PROFILE
株式会社プロモーターズ・カンパニー代表取締役 石川アサ子
組織設計コンサルタント
認定経営革新等支援機関
中小企業診断士
〒160-0023
東京都新宿区西新宿5-8-5
ダイヤモンド西新宿1104号
TEL:03-5354-5937 FAX:03-5354-5938
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2022年7月16日 公開
「女の王道」からの転換
学生時代は世の中に流されていたように思います。高校を出たら周りの女の子たちと同じく短大に進学。卒業するときはバブル末期の日本が一番賑やかだった時で、私も複数の会社の内定をもらえました。仕事は「何をやりたいか」よりも「どこに入るか」という価値観で決める時代。私は大手自動車メーカーに就職先を決めましたが、配属先は予想していなかった秘書部で、そこでは電話の受け答えひとつでもとても厳しく指導されました。でも今ではそれがとてもありがたいことだったと実感しています。8年勤めたあと、やはり周りの女子社員と同じように寿退社しました。それが安泰の道だと信じて疑わなかったんです。が、ほんの数ヶ月だけ専業主婦を経験してみて「自分に専業主婦はむいてない」とすぐに悟りました(笑)。すこしずつ社会復帰し、当時急成長していたベンチャー企業の創業オーナー秘書を勤めたとき、その刺激的な環境から「自分の力でもっと良い仕事をしたい、女であっても自立できる経済力を持ちたい」と考えるようになり、その後は複数企業で管理部門などの実務を積みながら中小企業診断士の資格を取得しました。今の仕事に至ったきっかけは、ある経営者塾で塾長の補佐をしていた時、多くの経営者の方とお会いしましたが、どんなに優秀な方でも「仕事をうまく割り振れない」「社員がすぐに辞めてしまう」と悩んでいる方がとても多かったんです。そこで、中小企業の組織の設計とその運用をサポートするプロになろうと、2011年1月に独立し、2012年11月に法人を設立しました。