インタビュー記事

楽器商として創業50年
これからも愛される教室として

有限会社 東音楽器足立センター

取締役 山口弓枝

楽器商音楽教室イベント運営

有限会社 東音楽器足立センター 取締役 山口弓枝

「ピアノは演奏は華やかで優雅なのですが、蓋も重く、弦は硬く、油ぎっていて、良い音を出すための調律は手を真っ黒にしながらの力仕事なんです」と説明してくれた山口社長。ハンマーをもつ姿がとても印象的でした!(インタビュアー:中嶋みさ)

有限会社 東音楽器足立センター

創業50年を迎える楽器商の3代目経営者

━ 起業までの経緯を教えてください

大正生まれの父、戦中生まれの母、共に両親はピアノの調律師でした。彼らの若い頃は調律師のための学校はなく、住み込みで弟子入りをし修行して技術を学ぶ職人仕事であり、父も母も日本での調律の草分けであった杵淵直都先生の下に、兄弟弟子として修行を積みました。一番弟子であった父は今のヤマハ、当時の日本楽器に勤め、宮内庁をはじめ、皇室関係の方々のピアノも調律していました。一方母は、同じ師に学びましたが、まだ女性の調律師がいない時代だったために女中も兼ねた弟子として苦労しながら修行し、日本では女性として史上4人目の調律師となり、銀座にあった国際楽器に勤めました。その後1971年に父が社長となり、ここ足立区小台に楽器商としてショールームをオープンしました。当時はピアノブームで飛ぶようにピアノが売れた時代で、調律、修理はもちろん、ショールームの一角でピアノ教室も運営していました。その後、父が亡くなり、母が2代目社長を務めていましたが、昨年母が82歳で亡くなり、私が正式に3代目を継ぐこととなりました。

有限会社 東音楽器足立センター

楽器商から始まった音楽教室

━ 事業内容を教えてください

現在はピアノ、バイオリン、声楽など音楽教室がメインですが、楽器商、出張コンサート、ピアノ講師に向けたセミナー業、コンサート企画など音楽に関わること全般です。一代目の父が会社を作った当時は、昭和のピアノ大ブームの最中で、注文を受けてもピアノの納品に何ヶ月も待って頂くような状態でした。ピアノ教室もたくさんの生徒が集まり、男の子は野球、女の子はピアノを習うのがお決まりという時代でしたね。もちろん私もそのような少女時代を送ったのですが、いざ仕事にするとなると目の前にあるピアノの道にまっすぐ進むのではなく周りも見てみたいと思い、若い頃はピアノや調律の世界から離れ会社員を経験した時期もありました。最終的には親の跡を継ごうと、3人の先輩がいる中、1番の後輩として両親に弟子入りをし調律の勉強をしました。また、電子オルガンの講師免許も取得し、講師としても働きはじめました。その後、結婚や出産を経て、会社の経営にも携わってきました。またショールームで楽器を選ぶ時代ではなくなった事もありそれを閉じ、両親の自宅1階に防音施設を作りスクールを移転しました。

有限会社 東音楽器足立センター

両親の代から伝わる技術、信頼

━ 御社の強みはなんでしょうか

やはり50年経営していきた信用、ノウハウ、そして多方面との繋がりでしょうか。現在、私はコンシェルジュ的な存在となり、それぞれの特性を見ながら、生徒やその保護者、講師との繋ぎ役になり、必要に応じて楽器の購入や修理など全てのコーディネートをしています。コンクールを求める方もいますし、リタイア世代の方々がゆっくりと習得したいと通われる方もいます。また、良い講師を求めて遠方からオンラインで申し込んでくださる方もいます。他にも障害のある方や、脳の活性化を求める方なども。個人経営のスクールだけでは対応できない事も幅広く受け入れて、その方にあったカリキュラムを作成しています。また楽器商でもありますので、楽器についてもしっかりサポートができます。オンラインについては、ズームは会話用のソフトなので楽器の音を完全に拾うのは難しいんです、なので特殊なソフトや機材を使用するなど講師側にも技術が必要なんです。またコロナ禍での開催となった昨年の発表会では、オンラインの方もライブでスクリーンに映し出してリアルとオンラインが融合した発表会もでき、大変好評をいただきました。(写真は2代目社長で山口社長のお母様、故・丸山富枝さん)

有限会社 東音楽器足立センター

音楽は誰に対しても平等である

━ 仕事をする上で大切にしていることはなんでしょうか

「音楽は誰に対しても平等である」と思っています。言葉の壁もなく、年齢・キャリア・国籍・ジェンダー・思想などに関わらず、誰が聴いても、感じ、楽しむことができるのが音楽です。スポーツや絵画などの芸術と同じで、全ての垣根を超えて一瞬でみんなが一つになれるものだからこそ、どんな方も受け入れてサポートしていく教室でなければなりません。できれば、手習いごとの域ではなく、その方の武器のひとつとなるようなお手伝いをしたいですね。また、両親ともに調律師であり、私自身も修行をし、生まれた頃から周りに音楽がある環境でしたので、音や楽器は最大限に尊重しています。ピアノの調律は音を合わせるというだけでなく、さらに整音整調、ピアノという機械の調整や音色を作る作業があり、これはA Iではできない調律師の人間性が出ると言われています。いまだに人の耳と手で調律をしているのは「音を合わせるだけの作業ではない」からなんですね。

有限会社 東音楽器足立センター

スクール事業から発表の場まで

━ 今後のビジョンを教えてください

現在は音楽のスクールがメインですが、近いうちに2つの事業展開を考えています。1つはスクール経営ともつながるのですが、能力開発の部門を作ります。音楽が脳に与える影響は学術的にも証明されているのですが、そこをさらに広げるため、音楽の分野とは違うメソッドを取り入れようと思っています。もう1つは、2022年5月に銀座に音楽が楽しめるBARも始める予定です。カウンターしかないBARですが、カウンターの中でバイオリンやフルート、歌などが提供できるような場所になりそうです。そして現在音大に通う息子が、スクールの講師として助けてくれていますので、伝統を守りながらも新しい時代の風も取り入れて、4代目に繋げられる経営をしていきたいと思っています。

PROFILE

有限会社 東音楽器足立センター 取締役 山口弓枝

有限会社 東音楽器足立センター取締役 山口弓枝

幼少よりピアノ・エレクトーンを習う
京華学園、music school wood電子オルガン本科を卒業

<会社概要>

会社名  有限会社 東音楽器足立センター

住所 〒120-0046 東京都足立区小台2-32-3
電話番号 03-3914-9318
FAX番号 03-3911-1660
設備 グランド/アップライトピアノ、駐車スペースあり、自転車置き場あり
創立 1971年10月10日

<事業内容>

ピアノ販売・買取
ピアノ調律・修理
ピアノ運搬・保管
教本・楽譜・小物販売
音楽教室運営(ピアノ・ヴァイオリン・ソルフェージュ
レッッスン室レンタル事業
出張演奏事業

 


2022年3月23日 公開

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