通常インタビュー

IT人材が伸びる仕事を後押ししたい
システム開発とクリエイティブの両立で規模拡大へ

バウンディア合同会社

COO 小井戸浩

システム開発・ウェブサイト制作

バウンディア合同会社 COO 小井戸浩

「僕はバランスタイプの人間なんです」。仕事はその場の面白さやときめきよりも、長い目で見た成果を重視するという小井戸COO。そのぶん、社内スタッフは経歴もキャラクターも実に個性豊かだ。冷静な経営目線、そこに様々なスタッフのスキルが組み合わさり、バウンディアの力はより発揮される。経営者として、あたたかな目で見守る眼差しが印象的でした。(インタビュアー 山根 聖美)

バウンディア合同会社

“人材ビジネス化”していくIT業界にジレンマ

━ 起業までの経緯を教えてください。

インターネット黎明期とも言われる25年ほど前に、新卒でIT企業に就職、150人くらいの規模の会社で20年エンジニアをしていました。一部上場企業のアカウントも多く担当し、実績を積むことができたと思っています。かつて、この業界はその時代の先端スキルを備えたプロが集まっていて、社員・外部からのパートナーと共に切磋琢磨し、会社の規模に関わらず良い仕事ができていました。私自身も、年上の外部パートナーから指導を受け、成長することができました。しかし、業界が肥大していくなかで、次第に現場が“人材ビジネス化”していくことに大きなジレンマを感じ始めたのです。つまり、大きな会社に就職した経験の浅い若手が、所属が外部であるという理由でベテランであるパートナーの上司になる、といったような歪みが見られるようになり、その構造が蔓延していくことに対し、絶望に近いものを感じました。エンジニアは卒業し、経営者になろうと決心したのが2016年。新規事業を起こすための会社を立ち上げ、さらに2018年に理念の合致した元上司・元顧客の方々と3人でバウンディア合同会社を創業しました。初めはITに捉われず別のサービスを始めることも考えましたが、やはり良さも悪さも知っているこの業界で、という決意に至りました。

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フロントエンド・バックエンドの両軸で展開

━ 事業内容を教えてください

いわゆるホームページの作成、人の目に触れる部分を作る”フロントエンドの開発”がひとつ。それとは逆に人の目に触れないシステムの部分“バックエンドの開発”も得意としています。実はほとんどのIT企業は、フロントエンドかバックエンドかのどちらかに特化している場合が多く、両方に対応できる会社というのはかなりレアです。そこが大きな特徴と言えますが、まだ走り出したばかりの会社なので、少数精鋭のスタッフで複数のプロジェクトに参画しつつ、体制を整えるために積極的に採用面接を行っているところです。また、その一方で新型コロナウィルスの影響で多くの業務が在宅となり、zoomを使ってのミーティングが中心でなかなかチームが集まりにくい状況が続いています。在宅でできるいうのはメリットでもありますが、本当は若手ほど現場の空気を感じて成長して欲しいので、そこが今はもどかしいですね。

バウンディア合同会社

クライアントに貢献するプロ集団

━ 御社の強みはなんでしょうか

ひとつはネットワークです。私含めた経営陣の業界歴が長いので、スタートアップ企業ではなかなか取引ができないような大手・有名企業様と仕事をさせてもらっています。そしてもうひとつは、人材です。普通のIT企業は、社員のスキルを寄せて組織を作る場合が多いのですが、うちはあえてバラバラにしています。プロジェクトマネージャー、アーキテクト、上級SE、プログラマ、ディレクター、フロントエンジニアなど…各1~4名程度と、分散しています。これから会社の規模を拡大するために、あえてそのようにしているのですが、それぞれが共通したマインドとプロ意識を持って仕事をしているので、少人数ながら現場でかなり活躍しています。すでに2社から、今後も組織を強化するための戦略的なパートナーに、という声もいただきました。私たちは一過性の業務をしてお金をもらって終わり、とは考えていません。また、今後ビジネス展開していくうえである程度の規模は絶対必要なので、今は求人活動を積極的に行っていますが、誰でも良いというわけではないです。ITの経験値やスキルも大事ですが、それよりも組織に寄りかかることのない、高いモチベーションを持った長く続く仲間を探しているところです。今いる社員も、元バンドマン、元専門学校の先生、元翻訳家、元キャンパーなど…いろいろです。

バウンディア合同会社

キャリア形成に最適な環境を

━ 仕事をする上で大切にしていることはなんでしょうか

私たちの仕事は、目の前にいる取引先がお客様で、そのお客様と一緒にものづくりをしていくわけですが、究極の言い方をすると、そのお客様の役割を奪うことが、我々の目指すべきことだと思っています。お客様はプログラムを作るだけではない、計画・調整・報告など様々な業務を抱えています。パートナーである我々が、それらも担うほどの主体性を持って仕事にあたるということです。そういう姿勢が、部下にも伝播し、会社全体の意識が上がると思っています。そして、一緒に働くスタッフに、その人自身のキャリアを上げて欲しいと思っています。経営者となり、この業界で働く人を見ていると、もったいないキャリアの積み方をしている人が多いと感じます。せっかく積み上げた経験があるのに、まったく違う方向に進んでしまい無駄にしてしまうケースが多く、プロが育ちにくい土壌になっていると思います。ここで働くことで、その人の価値が上がるような経験になるよう、経営者として全力でサポートしていきます。

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コロナ禍でも規模拡大、300人体制を目指す

━ 今後のビジョンを教えてください

現在のスタッフは14名ですが、2022年8月までに50名体制にし、最終的に300名体制までもっていくことを目指しています。自分の経験則(けいけんそく)からすると、300人いればIT企業としてある程度のことはできるようになります。また、この規模に成長できれば、上場も視野に入れ、ストックオプションで社員持ち株制度を取り入れるなど、社員が成長を実感できるような仕組みを作ることもできます。コロナ禍で業界も状況が一変し、苦しいIT企業やフリーランスが増えている現状ですが、こうした時こそ地に足をつけて、しっかり成長に向けた準備をしていかなければと考えています。

PROFILE

バウンディア合同会社 COO 小井戸浩

バウンディア合同会社COO 小井戸浩

boundare.co.jp

社員ひとりひとりが「心が弾むこと(bound)に向かって挑戦していく(dare)」企業を理念に、2018年創業。

◆クリエイティブ事業(ウェブ制作・動画制作)

◆システム開発事業(全般)

◆新規事業企画・開発・運営

2020年9月23日 公開

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