通常インタビュー

ストーリーをデザインして、「居場所」を創る空間、家具づくり

株式会社KIJIN

代表取締役 石川玄哉

家具・空間プロデューサー

株式会社KIJIN 代表取締役 石川玄哉

始終柔らかい笑顔でお話をしてくださった石川氏。木の名刺入れから名刺を出し、木製フレームのメガネに木製のネクタイ!おしゃれで自然体、ご縁を大事にする温かい人柄。しかし実は大いなる野望を秘めたビジネスマンでした!(インタビュアー中嶋みさ)

株式会社KIJIN
━ 起業のきっかけを教えてください

大学卒業後に勤めた会社では、大量生産家具の商品企画部に配属されました。勤めている時に、組み立てのカラーボックスを12年間使っているお客様から「板がたわんだ、どうしてくれるんだ!」とご意見をいただいたんです。それが家具のあり方について考えるきっかけになりました。家具って消費するものなのだろうか?いや、家にあるもので一生使えるのは家具なんじゃないか!長く使える家具の方が人を幸せにできるのではないか!そう思い、一生使える家具づくりをしたいと会社をやめたんです。これは今までやっていた「大量生産品家具」とは同じような業界でも全く真逆の事だったので、知識、経験、人脈、技術、計画、営業力、デザイン力、資金力、何もないところからのスタートでした。ただ「想い」だけで1年で1200人の方々と会い、伝え続けた結果、2013年に「家具屋KIJIN」が誕生しました。

一番最初にオーダーを受けたのは、木の名刺入れなんですが、これは縁あって現在、神田明神の境内でも販売されているんです。もちろん1つづつ職人の手作りなんですよ。

株式会社KIJIN

想いと空間、家具を紡ぐストーリーデザイン

━ 御社の特徴を教えてください

家具を一生使うためには2つポイントがあるんです。まずは物としての側面、職人さんが一生使うことを前提として作ったもの。それから想いとしての側面、使う人の思い入れが生かされていると人はその物を大切に長く使うんです。僕は「想い」と「物」を繋げるものがストーリーだと定義していて、お客様から「想い」を聞いてコンセプトを考え、ストーリーをデザインして「物」へ落とし込んで行きます。それができていないと「想い」と「物」は解離していってしまうんです。だから、その方が今求める要求だけではなく、将来的な動きも含めてデザインし提案をしていけるんです。

株式会社KIJIN
━ 御社の強みを教えてください

オーダーメイド家具の製作は一つの大きな柱なんですが、実はトータルプロデュースという形で空間を丸ごとデザインしていくようなこともメインでやっています。最近ではオフィス全体のプロデュースもやっていて、素材に木を使い、経営者の想いやコンセプトが細部まで反映されるようにストーリー組み立て、空間を創っていきます。もちろん働く人のパフォーマンスも上がります。これが弊社の強みです。後日、アンケートをとったところ、実際に社内コミュニケーションが活性化したという反応ももらっています。

株式会社KIJIN

オフィスを“木化”する

━ 今後のビジョンを教えてください

特にオフィス空間に木を使うことが当たり前になってほしいですね。自然とともに生きる、特に木とともに生きるのは人間にとって当たり前のことのはずなんです。だから、今無機質になってしまったオフィスこそ、その時代まで戻したいと思っています。そこでもっと手軽に木に囲まれて働いてもらいたいと、最近ではより簡単に、木製のオーダーデスク天板を乗せるだけでリノベーションができるサービスも展開を始めています。ありがたいことに、始めて数ヶ月で大変反響を頂いていて、既に200台ほど出ています。机は使っていくうちに傷がついたり汚れたりしますよね、これは木製なので削り直しができるんです。この削り直しの作業は障害者の方の就労支援施設にお願いをしているので、机を使うことが社会貢献にも繋がっています。色々なご縁を大事にし、またご縁を繋げつつ、お客様も作り手である職人も、携わる人たちの幸せを循環させながら、木に触れるオフィスを広げていきたいです。

PROFILE

株式会社KIJIN 代表取締役 石川玄哉

株式会社KIJIN代表取締役 石川玄哉

2016年株式会社KIJIN設立

http://kijinwood.jp/

 

2020年1月9日 公開

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