通常インタビュー

自衛隊員の高い能力を企業に伝え
第2の人生の幕開けを輝かせる

有限会社 酒井上総屋

代表取締役 酒井 徹

自衛隊経験者の転職支援/オーダースーツ販売

有限会社 酒井上総屋 代表取締役 酒井 徹

佇まいから独特のオーラがあり、並みの人生は送ってきていないな、と感じさせられるものがありました。成功と失敗を繰り返しながら、今はこれまでの人生のすべてを活かして自分だけのビジネスに邁進しています。ほかの誰かの転職のお手伝いをしながら、自身も天職に巡り会えたような目の輝きを感じました。(インタビュアー:山根聖美)

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軸が定まらず、転職を繰り返しながらも起業に至らなかった36年間

━ 起業までの経緯を教えてください

大学時代から「いつか会社経営者になりたい」と思っていました。当時はとくに根拠はなく、目立ちたい、社長と呼ばれたい…程度のレベル。実行に移すことはできぬまま会社員を経験したあと、陸上自衛隊に入隊。日々泥まみれになっていました。その後、戦没者遺骨を収容するボランティア活動に参加したことがきっかけとなり、30歳で某省庁へ入省。ここでも太平洋戦争における日本人の戦没者遺骨の調査・収容などを行いました。6年勤めていた間、海外出張は30回以上。しかもロシア、パプアニューギニア、フィリピン、インド、硫黄島などの僻地ばかり。休みの日は思い描いていた起業のために、ここぞとばかりにジャングルの中で経営についての参考書を読みふけっていました。省庁の仕事をまだ続けるかどうかを悩むタイミングに加え、結婚・離婚も経験したということもあり、36歳でいよいよ独立。腹をくくって、という感じでした。

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2年で3000人の経営者と接触、そこから生まれた新ビジネス

━ 事業内容を教えてください

独立後、はじめて東京で立ち上げたたこ焼きバルは多忙なわりに収益を上げることができず、うまくいきませんでした。精神を壊しそうになるなかで、以前からお世話になっていた大阪の経営者専門のオーダーメードスーツに着目しました。コンセプトは「スーツの装い、立ち振る舞いで経営理念を表現する」というもの。まだ東京にはないビジネスと感じ、一時的に関西に移り住んでノウハウを学び、2017年夏、東京に「太陽の仕立屋 イルソーレ」を立ち上げました。省庁勤務時代からあらゆる会合に顔を出して経営者と繋がりを持つようにしてきましたが、さらに加速させ、現在まで2年ほどで3000人近くの企業経営者の方とご挨拶させていただきました。その流れで、今度はもうひとつの事業“自衛隊経験者に特化した転職相談とコーチング”がスタートします。経営者の皆さんと話していていると、「元気で情熱のある人材が欲しい」という声を聞きます。私は元自衛官ですので、自衛隊経験者の知り合いがたくさんいるんです。そのマッチングが思った以上にうまくいき、今はスーツ事業よりもそちらの方がメインになりつつあります。人材エージェントといえばプロスポーツの世界では有名ですが、最近では一般企業の転職にもかなりニーズが高まっています。まさにそのエージェントとしての事業です。有料職業紹介免許を取得している企業と事業提携しながら活動しており、転職者からは一切費用を受け取りません。

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自衛隊経験者だからこそできる民間企業との「通訳」

━ 御社の強みや特徴を教えてください

自衛隊というのは独特の世界で、一般企業からすると陸・海・空での訓練内容の違いも分からないでしょうし、履歴書を見ても「体力がありそうだね」くらいにしか捉えられにくいです。自衛官からしても一般企業での勤務経験がないので、自分のことをうまく表現できる人が少ない。そこで自分が間に入り、自衛隊経験者にしかわからない習慣や言語、悩みをビジネス用語に変換。逆にビジネス用語は自衛隊用語にして、同時通訳します。お互いに読み取れない需要と供給を、マッチングするのです。たとえば、訓練のなかで行うチームビルディングや組織行動は、かなり高度なものです。一般的な資格は持っていなくても、それに値するほどの高いスキルを持っている自衛官はたくさんいます。これまで現場でどのような教育を受け、どのくらいのレベルの技術を持っているのか、企業側にしっかり説明します。電気工事や建設業だけでなく、キャリアアップして活躍できるフィールドは無限にあります。自分が関わった案件で、すでにIT関連企業で活躍し、幹部候補と言われている自衛隊経験者もいます。とはいえ、自衛隊経験者だけを対象にしているわけではなく、いまの割合は自衛官50:会社員50で、あらゆる業種に対応しています。

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未来あるひとが一番輝ける場所へワープしてもらいたい

━ 仕事をするうえで大切にしていることはなんですか?

関わる人の本領が発揮できるように全力を尽くすことです。これまでの成功や失敗の経験だけでなく、様々な方とお会いし、自分なりに社会というものを読み取ってきました。間違った努力や我慢をしない、誰かと比較しない、周りに合わせない。何をしても、やりたいように、自由に輝いていいんだよ!ということを伝えるようにしています。また、それはオーダーメードスーツ事業でも同じことが言えます。世の中の流行りや雑誌の受け売りではダメです。生地感や色合い、シルエットなど、その方の業種や、経営理念にぴったりと違和感なくはまるように仕上げ、その方の魅力を最大限に引き出します。世の中に当たり前にある常識をぶっこわして、未来のある人を、その人にとって最高の場所にワープさせる、これが自分の信念です。

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相談者との徹底的な幸せ探し、これからはUターン転職も

━ 今後のビジョンを教えてください

最近は企業でも副業が認められつつあるし、あらゆる局面でシェア、分業といったことが起きています。これまで1つの会社で、1つのことのみを頑張ってきた転職希望のサラリーマンの方々にも、世の中の変化や人との繋がりでこんなに人生が変わるんだ、ということを見せてあげたいです。ご縁があった人は、徹底的に輝かせる。僕自身も自己本位で始めてしまった飲食店のときと比べると、ストレスもなく、人やビジネスの繋がりにめちゃくちゃ手応えを感じています。ただ無理な拡大はしないで、あくまでも自分のできる範囲で広げていく。それと、今後はUターン転職も促していきたいです。収益だけを考えたら東京の方が良いのは確かですが、その人の幸せのことを考えたら、それがマストではないですよね。地元とのご縁さがしも進めていきます。

PROFILE

有限会社 酒井上総屋 代表取締役 酒井 徹

有限会社 酒井上総屋代表取締役 酒井 徹

◼️太陽の仕立て屋 イルソーレ

◼️自衛隊経験者の転職支援事業「キャリアレンジャー」

ilsolejapan@gmail.com

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2019年12月27日 公開

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