オーダースーツ業界を、日本をもっと変えていきたい
株式会社インフィニット
代表取締役 清水 広大
オーダースーツ販売
常にタスクは100個ほどある、と言うタイムスケジュールとはうらはらに、ゆっくりと噛みしめるようにお話をしてくださった清水氏。そのトーンの穏やかさの中に強い意志と情熱を感じました。(インタビュアー中嶋みさ)
「オーダースーツ」の仕組みを解析する
起業準備をしている時に友人から紹介されたのが、3万円ほどで作れるオーダースーツでした。10万ぐらい出さないといいスーツではないと思っていたので、当時オーダースーツを着ていた自分にとっては驚きの値段でした。「周りの人間に教えてあげたい」と思うのと同時に「これはいけるんじゃないか、面白いんじゃないか」と思いました。
理由は
・スーツはリピート商品である。一回受注をすると社会人をやめるまで着続ける。
・販売効率が良い。最初に採寸をすれば、次からは生地を選ぶだけなので時間が短縮される。
新規を増やしていけばどんどん顧客も増える、とてもシンプルな話だと気がついたんです。自分は販売員もやったことがない、縫製用語も全くわからない。でも誰でも採寸できるような採寸ノウハウ、取引できる仕入先の開拓、と仕組みを作っていき、2万円代でオーダースーツを販売することができました。これが、2015年6月のことです。創業時に全国制覇の目標を立てたのですが、創業4年目の現在、仙台と札幌以外にはすでに販路ができています。
オーダースーツによるビジネス展開として、仕入先の開拓、商品企画、開発、直販、卸先の開拓…すべてやっています。当初は仕入れと販売だけをしていたのですが、今は「オーダースーツを販売するノウハウ」も提供しています。自分たちで改善を繰り返し、精度を上げていきながら構築したデータに基づくノウハウです。全く違う業種の会社の中にオーダースーツ事業を立ち上げるお手伝いもします。具体的に言うと…事業展開のヒントになってしまうので言えませんが、オーダースーツ事業を立ち上げるための人材研修、ライセンス販売もしています。もっと言えば、これから起業する方には、司法書士・行政書士の紹介、様々な手続きまでサポートします。実際にうちで始めた方の成功率はかなり高いです。ちなみにお教えするのはスーツの売り方と経営の仕方であって、スーツのうんちくではありません。
これはお客様だけではなく社内の人間にも言えることなんですが、「相手のニーズを無視しない」こと。こちらの解釈で物事を進めるのではなく、事実を拾って相手の求めていることを無視しない。その結果、お客様からの要望で高額なオーダースーツや女性向けなど商品も増えていきました。そしてもう1つは「なぜそうなるのか」を常に考える。これは母方の祖父からの教えで、小さい頃から言われ続けてきたので、仕事だけではなく、自分の中の全ての考え方の基本となっています。
業界を変える!オーダースーツが当たり前の世の中にする。もう少し先の話をすれば、経営者育成ですね。人材育成、教育…変えていきたいですね。日本を元気にしていきたいです!
PROFILE
株式会社インフィニット代表取締役 清水 広大
株式会社インフィニット
https://infinite-suit.co.jp
2019年12月12日 公開
子供の頃から意識してた「起業」
物心ついた頃から普通のことでは終わらないぞ、と自分を特別な存在にしたいと思っていました。明確に起業を意識したのは商業高校に通っていた高校生の時です。大学生の時には28歳で「起業」すると決めていました。卒業後に就職したのは通信業界で、B to B で通信サービスを販売する会社でした。様々な業界の決裁者とビジネスをする機会を得て、コンサルティングに近い提案をして営業をするうちに経営寄りの考え方が身に着いたのはとても勉強になりましたね。また、限られた時間の中で決裁の印を押してもらうため、メリット、デメリットを端的に明確にする力もつきました。起業予定の3年前、25歳の時に起業準備のために最初の会社を辞めました(入社して実稼働初日に契約をとった記録はまだ抜かれていません!)。営業は相手が求めているものを提供する、これだけなんです。この時にはしっかり理論で考えてご提案すればなんでも売れる、というところまでたどり着いていました。でも業種などは決まっておらず、ここからありとあらゆる代理店を経験しました。