美しい靴と美しい足を諦めない
女性らしさに魔法かけるハイヒール
株式会社シンデレラ
代表取締役 松本 久美
シューフィッター
デザインから制作まで靴の全てを知り尽くした松本社長。靴の計測方法や、足に合った靴の提案をとても分かり易く丁寧に教えて下さいました。
(インタビュアー 木内)
靴選びはお客様の日常を知ることから
シンデレラでは主に3つのプランをご用意しています。
1、お客様の足を計測する、フィッティングチェック
2、足に合う靴を提案する、ショッピングアテンド
3、足の痛みを取るアドバイス、オーダーメイドインソール
足を計測する前に、まずは相談会からスタートされる方もいらっしゃいます。ただお客様の足を触らないアドバイスとなるので、ご来店いただき細部に至るまでチェックすることをおすすめしています。
インソールにはたくさんのパーツの用意があり、足と靴の関係性を見てチョイスさせていただきます。2〜3mm違うだけで快適さに差が出るほど、足は本当にデリケートです。
また靴擦れの衝撃を受け続けると、骨の後部分が出っ張ってくるケースもあります。これは「ハグルンド病」と言われ、踵の骨を靴擦れの刺激から守ろうと、膜を張り続けることが原因です。そのまま放っておくと手術の必要が出てくる場合もあり、たかが靴擦れと放っておけないのです。
サロンではお客様の足に合わせて靴を選び、インソールで調整するだけではなく、ぴったりの靴を履くことで出てくる、「足の歪み」と「歩き方のクセ」によるトラブルをサポートします。お客様の日常を知り、歩き姿を撮影後、歩き方のクセをお伝えして痛みの原因を解決していきます。この「歩き方」に関してのアドバイスは、始めてまだ1年ほどです。もっと足と靴の関係性の知識を深め、お客様により良い靴選びを提供していくため、理学療法・整形外科などの勉強も絶えず行っています。
100か所チェックから最高の一足を提案
まず1つ目の強みは、他のサロンよりも多く計測すること、「データ主義」であることです。
そのデータをもとに細かい提案をできることが自慢です。また「靴選びAI」を実現するためにも、情報を多くストックしています。主に4つ「立ったとき」「座ったとき」「浮かせたとき(空中)」「絞りあげたとき」の状態で足を計測して、両足で100か所のチェックをします。ハイヒールはこの4つの平均値を出して、お客様にぴったりの靴をご提案します。
もう一つの強みは、私自身が「女性である」ことです。
足のフィッティングなどする方は男性が多く、「痛みがあるならフラットシューズを」と提案される場合も少なくありません。しかし女性にとってハイヒールはおしゃれのマストアイテムです。女性の気持ちを大切にし、自分の足で体感したものを誰よりも早くお届けすることを心がけています。
一生のお付き合いのできるサポート
「アフターフォロー」を第一に考えています。
サロンでしっかり調整しても、外で試してみると合わないということも、残念ながらあります。ご自分に合う靴を求めて、サロンジプシーになっている方が多いのも事実です。外で試してダメだったらもう履かないというのが無いよう、できるだけサポートしたいと考えております。
また、足は「朝と夜」「四季の温度や湿度」「生理周期」「怪我・病気」などでも変化します。その変化に合わせてアドバイスができるよう、データもしっかりとインプットしています。長期で8回の施術を行い、前半で納得のいく結果が得られない場合、返金するというシステムをとっています。
お客様が離れることはとても心苦しいですが、厳しいジャッジはとても貴重です。正解と不正解のデータが集められ、施術のスキルアップになり、より多くの提案へと結びつけることができるからです。またこのジャッジこそが「靴選びAI」のデータに結びつく重要な情報。しっかりと受け止めて、お客様の笑顔につなげていこうと思っています。
靴選びから心も体も美しく
「靴選びAI」を成功させることを目標としています。目標達成することで、お客様により豊かなアドバイスができることが何よりの喜びです。
さらに「ユーズドシューズのオンラインショップ」の開設を予定しています。これはただユーズドシューズを販売するものではありません。お客様に実際に履いている靴を5足お持ちいただき、マッチングするかどうかをチェック。合わない靴を買い取りすることで、大切な靴を無駄にすることがありません。また登録されているお客様にマッチングを提案でき、喜んでいただける結果へと導いていきます。古物商(皮革・ゴム製品商)の資格も取得し、靴への愛情がさらに深まりました。
販売する靴に関しても「3回決済」を導入予定です。
初回、1ヶ月後、2ヶ月後 と3回に分けてお支払いいただきます。ご購入後1ヶ月の段階で足に合わないと判断し、返却してくだされば次回の支払いは不要という決算方法です。有名ブランドの靴が安く手に入り、さらに1/3の金額で試せることもメリットです。
靴を選び履くことが苦痛ではなく、おしゃれを楽しみ女性らしさをアップさせるアイテムになるよう、今後も「靴」にこだわり続け、お客様の笑顔を引き出していきたいですね。
PROFILE
株式会社シンデレラ代表取締役 松本 久美
大阪モード学園卒業後、靴業界で13年過ごす。デザイン・製図・縫製・営業・販売まで、靴が作られ顧客の手元に届くまでの全てを経験する。
その後、株式会社シンデレラを設立。
2019年9月10日 公開
胸を張って「プロ」と言えるのは「靴」でした
自分の外見にコンプレックスがあり「おしゃれになりたい」とファッション系の専門学校へ入学しました。在籍中に洋服よりも靴に魅了されて、自他共に認める「靴マニア」になっていきました。毎日のようにショップに足を運んでいるうちに、スタッフさんよりも靴に詳しくなるほど。(笑) 靴業界でデザインやパターンを作りたいと思いましたが、学校で斡旋があるのはアパレルのみでしたので、自ら調べ就職先を決めたほど、靴が好きでした。特に女性だからこそ履ける、足をキレイに見せてくれる魔法の靴「ハイヒール」、ファッションに合わせて履くのに手放せません。ただ、残念なことに足にぴったり合う靴を見つけるのは意外と難しいものでした。
10年ほど前に「私に合う靴を作って欲しい」と依頼してきたお客様との出会いをきっかけに、フィッティングに興味を持ち、靴に関する知識を深めていきました。彼女の足はとても細く華奢で、合わない靴を無理に履いていたため、体の不調を引き起こしていたのです。
ただ、当時は靴業界の倒産が多く、何度も憂き目に会いました。生活するには難しい状況が続き一旦靴業界から離れることを決心。IT業界に身を置き、WEB系の販促ツールの営業で、ホームページやデザインを手がけていました。派遣社員で働きお給料も安定し、自由な時間を持つことができました。「いつか起業したい」というビジョンがあったのでその時間を有効活用し、ビジネスコンテストに応募し、得意な靴の知識を活かして、2度優勝した経験があります。そこで選ばれたのは「靴選びAI」。やはり私が胸を張って「プロ」と言えるのは「靴」なのだと改めて実感しました。
そのコンテストをきっかけに「靴選びAI」と向き合うことを決意しました。実現するには億単位のデータが必要となり、3〜5年はかかる計算ですが、お客様に「本当に合う靴を届けたい」という願いでサロンをスタートさせることになりました。