目指すのはお客様をサポートするよろず相談所
一味違うコワーキング・カフェ。
生き方美心株式会社
代表取締役社長 飯島 恵
コワーキングスペース運営
人と人とを繋ぐのがお上手で面倒見がよく、従業員を本当の家族のように心配し寄り添っている飯島社長。
キッカフェは、そんな飯島社長の温かさが出ていて、それを求めて遠方から通われる方もたくさんいらっしゃいました。話をしているだけで安心する大きな愛で包み込んで下さる飯島社長のお人柄で、地域に愛される素敵なキッカフェでした。
(インタビュアー 木内)
一味違うコワーキングカフェ
カフェを併設した、コワーキングスペースの運営が主になります。イベントをやることもありますが、通常は普通のカフェのように見えます。お客様もご近所の方から、東京から通って来られる方までさまざまです。
私が引き寄せるのか(笑)、お客様も非常にユニークな方がたくさんいらっしゃいます。最初は真面目なコワーキングスペースとして始めたのですが、今はもっと自分らしさを出そうと思っています。よろず相談所のような、お客様が自分の素をさらけ出せるような場にしたいですね。
6月から占いも始めました。横浜ベイシェラトンで占いをされていたベテラン占い師をはじめ、4名の占い師が鑑定をします。占いは時によって重い内容になることもありますが、ここはカフェですので、その後も私がゆっくりご相談に乗ったり、場合によっては弁護士の方をご紹介したりもできます。お客様の人生をサポートするようなカフェにしていきたいと思っています。
また、「横浜婚活・結婚相談所センター」の保土ヶ谷支部としての活動も始めることになりました。この結婚相談所は、神奈川県警の元警察官の方が少子高齢化対策として、健全で安心な婚活を促進するために設立されたものです。『恋から始める婚活』を合言葉に、婚活のイベントなどを行う予定です。
お客様の気持ちに寄り添ってサポート
私が運営しているコワーキングカフェの特徴は、お客様が自分でいられる場所を提供できるということです。そういう意味で、普通のコワーキングスペースとは違います。お客様に悩みを打ち明けられることもありますが、どんなお話でもお聞きします。
私は住宅メーカーでの勤務が長く、インテリアコーディネーターをしていた時期もあったのですが、実力がないことに気づき、自信もなく、職場でのいじめにもあって、最後はパニック障害になってしまいました。まだ、パニック障害という言葉も一般的ではなかった頃です。問題から逃げるように結婚して家庭に入りましたが、子供が小学生になって仕事を再開してみて、仕事が大好きなことに気づきました。そして、住宅メーカーだけでなく、出版や飲食業、音楽・芸能関係など、さまざまな仕事を経験することになったのです。
特に飲食業や音楽関係には非常に個性的な方が多く、そのような方々と知り合って、私にはこういう環境が居心地がいいのだと気づきました。また、人脈も広がりました。ですから、お客様が例えばビジネスのことで悩んでいらっしゃれば、その悩みに応えられるような専門職の方をご紹介できます。また、悩みが人生上のことであれば自分の経験からサポートいたします。お客様の気持ちに寄り添って、自立できるようにお手伝いできる、そんなスペースを目指しています。
『袖振り合うも他生の縁』
出会った方一人一人を大切にすることです。
『袖振り合うも他生の縁』という言葉がありますが、どんな出会いも大事にしたいと思います。普通の飲食店やサービス業では、私の場合、うまくいかなかったのではないかと思います。ただの接客ではなく、出会った方はすべて大事にしていきたいです。
それは当社の若いスタッフたちに対しても同じで、いつも母親のような気持ちで接しています。話を聞くことはもちろん、出会いによって人生は変わると思いますので、必要な時は私の知り合いも紹介しています。
人のために生きたいと思うのは、自分がこれまで、そのようにしてもらってきたからだと思います。人のために生きている人が、私のまわりにはたくさんいます。知り合いには起業家も多いですが、赤字を出していても、大きな利益を得ていても、同じ目線で語れる人たちばかりです。人を貶めるのではなく助けようとしている、そういう人たちに私もお世話になりました。ですから、今度は私が他の人のお役に立ちたいと思います。
日本中を生き方美人に
大きな夢になってしまいますが、日本中の方を生き方美人にしたいです。
私の知り合いに、普通の人を撮ったらナンバーワンといわれる、とても個性的なカメラマンがいます。彼が一般の人にランウェイを歩かせるというファッションショーの撮影をしていたのですが、それを見て、どんな人でも輝ければ美しくなれる、外面ではなくイキイキした内面美を出すことで、みんなが心の美人になれる、と気づきました。そして、それが『生き方美心』という社名に繋がりました。
今の日本は少子高齢化など暗い話題が多いですが、その中で皆が輝けるように、自分の価値を感じられるようになってほしいと思います。自分の経験から、どんな環境にいても人は幸せになれると考えています。ですから、その土壌を一緒に見つけるお手伝いをしていきたいです。
信じられないような偶然が重なって
私はフリーランスも含めてさまざまな仕事や活動をしてきました。その中で人脈も広がり、人のためになることをしたいという気持ちを持つようになりました。子育ても落ち着き、「自分の人生を歩みたい、人生の集大成を作りたい」と思った矢先、夫や父親を含む身内や友人が六人も一年の間に次々と亡くなったのです。これが大きな転機になりました。「人は死に向かって生きている。それならば、後悔のない人生を送りたい」と、その渦中で強く思いました。
そんな時、たまたま見つけた創業支援セミナーに出席してみました。そこから奇跡としか言いようのない偶然の出会いが重なっていきました。
セミナー会場は初台でしたが、そこにいらしていた社労士の方が、私の住んでいる保土ヶ谷の出身でした。同郷という事もあり、社労士の先生は親身に相談に乗ってくださいました。そこで「融資を受けるには、まず物件を見つけることが必要」と言われ、地元の不動産会社を訪れました。その不動産会社の方と話をしていると、「今、住友林業で家を建てている」と言う話がでました。当時、私も住友林業に勤めていたので、担当者を聞いてみると私が勤めている店の店長でした。そんなことがきっかけで不動産会社の方は私を信用して応援してくださり、ちょうど良いと思われる物件を2カ月間無料で押さえてくれました。
また、コワーキングに興味があったので調べていたら、たまたま関内でコワーキングスクールキャンプがあることを知りました。応募したところ、一期生として参加でき、その中の一番バッターとして起業できたのです。何もかも、まるで最初から決まっていたかのように、偶然が重なりました。流れに身を任せているうちに、後に引けなくなって起業したという感じです。