通常インタビュー

日本の「食」の大きな担い手を目指して!
農家直営産直野菜の卸・宅配 
"フィールド・コーポレーション"

株式会社フィールド・コーポレーション

代表取締役 松橋 毅

食品(生鮮食品/加工食品/飲料など)の卸及び小売業

株式会社フィールド・コーポレーション 代表取締役 松橋 毅

イタリアがお好きだとお話しされておりましたが、まさしくダンディーなイタリア人のように“Magnifico presidente(素敵な社長)”でした!!
農家の方や野菜に対する“想い”は、計り知れないものを感じます。
(インタビュアー:三上)

株式会社フィールド・コーポレーション

野菜から教わった“スローライフ”の世界

━ 御社を設立されたきっかけを教えて下さい。

身内にアトピーの者がおり、薬物療法や色々な民間療法を試しても全く良くならず、困り果てていた時期に、お肉など動物性のものを排除し、野菜中心の食事にする事によって病気を緩和できるという事を聞き、藁にも縋る思いで食事療法を取り入れた事が始まりです。
また、母親が長年保育園の調理師として食の仕事をしており、私自身幼い頃から野菜をたくさん食べて育って来た事もあったので、徐々に【野菜】というものに目を向けるようになっていきました。その頃から【良い野菜】を食したいという想いがあり『何かツテがないかな』と考えていた時に出会ったのが、今の生産者達です。私はどんどん農家の人達に魅了されていきました。
その生産団体が、オーガニックの農産物を中心に生産しており、私も食べる人を幸せにする農産物に携わる仕事が出来たら良いな、と思ったのがきっかけです。私は元々イタリア食材の卸の営業をしていたので、その時点でレストラン様との繋がりはたくさんあり、飲食店の仕組みや人間関係なども熟知していました。
私自身イタリアが大好きな事もあり、顧客は当然というか、必然というか、イタリアンのお店が増えていきますね(笑)
元々【食】という分野で何かやりたいという想いがあった事と、私の一番の目標が、“食を通じて社会貢献する”という事である為、私自身が農家をやるのではなく、農家の方に作って頂いたものを消費者に繋げ広める、【アグリビジネス】にたどり着きました。
話は少し逸れますが、私は若い頃プロサーファーになるのが夢で、介護士をしながら海辺に住んでいました。
“スローライフ”という言葉は、サーフィンの世界では【当たり前】の考え方であり、自然に沿って生きていくという意味で、私自身もその環境の中で【当たり前】に過ごしてきました。
必然的に自然に沿うような時間の流れ方、周りには当然のように畑もあり、“スローライフ”の考え方にも共感をしていました。
また、“スローライフ”という考え方は日本語で“地産地消”という意味も含まれているのですが、発祥の地はこれまたイタリアなんです(笑)
このような形で色々な部分のご縁が繋がって、広がって、今に至りました。
私共のような仕事は、本来であればご購入頂いたお客様のために農家の方と折衝をする立場なのですが、私は野菜のプロデューサーという立場で、どちらかというと生産者側に近い販売人であり、かなり農家の方に寄り添って物事をご提案させて頂いています。
農家の方と共に成長し、繁栄できる事を第一の目標としています。

株式会社フィールド・コーポレーション

“農産物の生産物流販売”

━ 御社の事業内容を教えて下さい。

農産物の生産物流販売です。その中で、業販の卸という形とインターネットを使った個人の宅配事業の2つに分けて運営しています。
もう一つは、レストランに対するコンサルティングをしています。

株式会社フィールド・コーポレーション

生産者直であり、分かりやすい情報開示をする

━ 御社の強みを教えて下さい。

生産者直である事です。つまり、産地と直結した利益をご購入頂いたお客様全てにお伝えする事や共有する事ができる、という事が強みです。そのため、中間コストが入りません。
また、食味・鮮度・安全性、そういう事を担保できる事です。
今の世の中、大多数の方は、誰がどこでどういう風に作っているのか分からない野菜を口にしています。消費者の方に情報開示をしても情報の見方がよく分からないのが現状です。
私共は皆さまにきちんと分かるように情報開示をして、お野菜をご提供しています。
通常スーパーなどで販売されているお野菜は市場を通して届けられるので、収穫してから時間が経っていますが、弊社では注文を受けてから収穫して出荷しているため、収穫した次の日にはお客様の元に届きます。

株式会社フィールド・コーポレーション

“真実は現場にある”

━ 仕事をする上で心掛けている事を教えて下さい。

生産者様が繁栄する事です。しかし、生産というのは色々な問題が出てくるものです。
“真実は現場にしかない”と思っているので、私自身が批評家、或いは評論家にならないように心掛けています。つまり、現場を頭で理解するのではなく、現場を知って、現場からものを発信したい、という想いを持って日頃より活動しています。また、農家さんの“想い”を消費者の方に知って頂く事や現状を理解して頂くような動きを心掛けています。

株式会社フィールド・コーポレーション

農家に夢を見いだせるようにしたい

━ 最後に、今後のビジョンを教えて下さい。

ご存知の通りこれからは高齢化がどんどん進んでいきます。
農家の平均年齢は、10年前で65歳と言われていたので、間違いなく、現在は更に平均年齢が上がっています。
耕作放棄地がどんどん広がっている現状で、辞めていく農家の方が多いのも現状です。それは何故かと言うと、【せがれ】世代が農家に夢を見いだせなくなったからです。
私共の使命として、きちんとしたものを作ったら、きちんとした対価が取れて、きちんと評価のできるシステムを作らなければいけないと考えています。
“農業は魅力的である”という事を発信し、農家を保護するのではなく、農家と共に成長していきたいと願っています。
そして、何が安全で何が危険なのか、私たちが取り扱う情報や農産物を通じて、皆様方に考え感じて頂けたら幸いです。

PROFILE

株式会社フィールド・コーポレーション代表取締役 松橋 毅

1973年 東京都出身
高校卒業後、都内インフォメーションプロバイダーに就職。
システム構築及び管理業務に従事。
能力を買われグループ会社取締役に就任するも、
自分が本当にやりたいことを求め退社。
色々なものを見ることが人生の糧になると考え、
語学学校へ入学後、バックパッカーとしてイタリアを1人で旅する。
帰国後、幾つかのアルバイトを経て、
以前より興味を抱いていたナチュラルライフを体験する為、
千葉県館山へ移住し、同市内の介護老人保健施設にて、認知症専門の介護士として働く。
そこで日本の文化や日本人が本来持ち続けてきた生活様式の大切さ、食べ物の重要性を知る。
野菜の物流販売を一生の仕事と考え退社し、現在の食品業界の仕組みやノウハウを知る為、
食品卸会社の営業職として従事。
その後、2006年9月同社退社後、
同年11月に農産物の販売や大自然の恵みに満ちた食材を通じて出来る、
社会貢献を柱とする“株式会社フィールド・コーポレーション”を設立し現在に至る。

サイトURL
http://www.field-corp.jp/

2018年11月5日 公開

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